《9》 ページ27
Aside
『違うって何度も言ってますよね泉。いい加減にしてくれます？あんたそれでもやる気あるんですか真面目にやって下さい。はい最初っからやり直し』
泉「…………チョ〜うざぁい……」
『っさいですよ早くやりなさい』
泉がしょんぼりと肩を落とした。
そのまましょぼしょぼとダンスを始めるから、俺はまたため息をつく。
レオの王になってから、俺は何故か度々セナハウスに呼ばれるようになった。
泉のレッスンに付き合わされてる訳なんだけど。
レオ「王！お前の為だけに描いた曲が出来たぞ☆題名は…"我が王と怒りんぼセナ"！」
泉「今別に怒ってないでしょぉ！？チョ〜うざぁい！」
『口より手足を動かしなさい泉』
泉がレッスンつけてほしいって言ったんですからね、と釘を刺しておく。
分かってるけどぉ……とぶつくさいう泉をひと睨みして、俺はレオの隣に座った。
手を叩いて拍をとりつつ、レオを眠らせるのが役目。
最近こいつはなにか抱えているらしくて、くまがすごい。
レオは俺が隣に居ればすんなり寝てくれるので楽なのだ。
ティアマトとしてライブをし終わったから暇っていうのもあるし、普通に2人と一緒に居たいし。
五奇人と一緒にいてもいいんだけど、なんか宗が今度ドリフェスにでるから〜とかなんとかで忙しいんだって。
俺は王であって、あいつらのリーダーじゃないからね。
王は見守るのが仕事だよ、多分。
放任主義だしね、基本的に。
ともあれ、今はKnightsの底上げが大事。
ドリフェス制度が出来てから、ライブしないと成績に入らないとかめんどくさいらしくてさ。
俺は特例でソロ活動してるから関係ないんだけどね。
ちらっと俺の隣でうつらうつらと船を漕ぎつつ作曲をするレオを盗み見る。
その目の下にはやっぱりくまがあって、眠たそうだった。
『…………レオ、大丈夫？』
レオ「………ん〜？大丈夫☆王は俺の事まで気にしなくていいぞ〜？ティアマト、だっけ？そっち方面で大変なんだろ？」
それより膝枕して〜！と強請られて、レオの頭をももの上に置いてやる。
夕日みたいな色をした綺麗な髪の毛を撫でてやれば、すぐに寝息が聞こえてきた。
それに少しだけ安堵して、泉と目線を合わせる。
泉も安心したように笑った。
『止まらない』
泉「…………はぁい」
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作者名：魚
| 作成日時：2020年11月25日 12時
