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ni「……怖くなったんか」
呟くようにして聞くと、また肩を震わせる。
俺の尻尾を撫でるのは、きっと安心したいから。
『…少し。貴方は私によくして下さったけど……本当にそれが本心なのかが分からないので…』
……随分と心の内を話すもんやな。
試されとるんか？
まあ…ええか。
別に、奪う気なんてこれっぽっちもあらへんし。
Aの頭にそっと手を置いて、優しく撫でる。
不思議そうにAがこっちを見たから、ふっと笑ってしまった。
ni「俺は形式上、この花嫁伝承に参加しとるだけや。
別にあんたを無理矢理娶ろうなんて考えてへん。
何が楽しくて妹みたいなあんたを娶らなあかんのや」
Aを妹と形容したのはあながち間違いじゃないはずや。
年の差的にも、不憫に思うこの気持ちも。
年の差言うても…もう孫とか………多分そのもっと先とか……
ま、ええか。
恋愛的に好きって言うのとはちょっと違う気がする。
でも、Aを愛しく思う。
遥か長い時を生きてきたからなのか、それともまだ俺に人間的な部分があったからなのかは分からんけど。
今はそういう事にしておこう。
『…妹…？』
ni「おう。せやから、あんたを娶ろうなんて考えへんよ」
そういうと、ちょっと安心したように微笑んどった。
『………兄さん』
ni「ん？」
『あ…いえ………呼んでみたくなって…私には兄弟が居なかったものですから…』
わたわたと恥ずかしげに手を揺らすAにくすくすと笑ってしまった。
なんや、小動物みたいやな。
ni「俺はあんたの味方や。
嫁ぎ先が決まっても、きっとこうやってあんたが苦しむことが必然と出てくるはずや。
その時は、俺を頼れ。兄である俺を頼れ、ええな？」
頭を撫でてやりながらそういうと、嬉しそうに頷いとる。
それに俺も嬉しくなって更に頭を撫でた。
本当ならば、Aをこのままここに置いておくのが彼女にとってもええ事やと思う。
でも、そうすればきっとAは……自分が思ったところに行かなくなる。
Aの頭を撫でていた手を止める。
……そろそろ頃合やな。
外で狼が鳴く声がした。
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魚(プロフ) - もも王さん» ありがとうございます！ (2020年6月18日 18時) (
レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
もも王 - 魚さん» いえいえ！推しはもちろん好きですが、この作品も大好きなので応援しています！結構初期の方から見ていたので、これからも頑張ってください！ (2020年6月18日 16時) (レス) id: ddd6641eac (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - もも王さん» うあー…なんだか申し訳ないです…あともう少しで完結すると思うので、これからもよろしくお願いします… (2020年6月18日 7時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
もも王 - Ohh・・・推しが二人も娶らない宣言してしまった・・・。それでもいい！見続ける！！頑張ってください！ (2020年6月18日 7時) (レス) id: ddd6641eac (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 理央さん» いやぁ、なんかこの2人はセットかなぁ、なんて思ったので←ありがとうございます！ (2020年5月14日 16時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2020年4月23日 11時
