常連さんは幹部でした【os】

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『あ、いらっしゃいませオスマンさん』



いつもの時間にいつもの店に行く。

あれから俺は毎日このケーキ屋に通っとる。

紅茶も目当てなんやけど、最近は新作ケーキが目的！

いつもの窓際の席に座って、ショートケーキ以外のケーキを開拓していくんやけど、どれもこれも美味い！

全体的にあの子＿＿Aさんが作るケーキは優しい味がする。

でも、時々鋭く切れ込んでくる味とかあって、それも楽しい。

今は新作ケーキを模作しとるらしくって、時々味見を頼まれるんよ。

どれもこれも美味しいんやけど、Aさんには納得いかんらしい。



『今日はこのクッキーなんですけど…』

os「焼き菓子に挑戦したん？」

『ええ！どうでしょう？』



赤みがかったクッキーをさくさくと食べ進めてみた。

………あれ？

これって…



os「これ………Gece gökyüzü(ゲヅェジャクズ)使ってる？」

『あ！オスマンさん流石です！』



嬉しそうにぱちぱちと手を鳴らすAさん。

は？

可愛い。

にしても、今のとこ中々流通せえへん茶葉をこうもふんだんにクッキーに練り込むとか…

なんというか………凄いめう。



os「紅茶のクッキーって美味しいよな！普通の茶葉でも美味しいけど、これはまた違った美味しさやな！」

『ええ、普通の紅茶の茶葉よりも香りと甘みが強く出るんですよこれ。砂糖一切使ってませんからね』

os「砂糖使ってへんの？はぇー…ってか、紅茶は蒼色なのに、茶葉は赤いんやね」



そう。

あの紅茶は蒼色やったのに、このクッキーは赤。

せやから最初はこのクッキーがあの茶葉使ってるって分からんかった。



『あ、じゃあ茶葉持ってきますね』




ぱたぱたと奥に消えて、戻ってきた時には大きめの壺を抱えとった。

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