常連さんは幹部でした【os】

↓ ページ4

『お待たせしました。ショートケーキです』



ことんっと白いお皿に乗せられてきたのはさっきのショートケーキ。

やっぱ美味しそう。

そしてそのショートケーキと対で出てきたのはティーカップとポット。

ポットから綺麗な蒼色が飛び出てきた。

それは白いティーカップに映えてて…

なんやろ…夜空みたいな、そんな色。



os「俺、紅茶頼んでへんよ？」

『ああ…店内で食べてくださる方にサービスでお出ししてるんです。中々いらっしゃらないんですけど。よろしければ、どうぞ？』



にっこりと微笑んで奥に消えてった。

定員さんからまた紅茶に目を戻す。

…つくづく綺麗な色めう…

でもこんな茶葉あったかな。

俺は結構紅茶好きで、この世界の茶葉はほとんど網羅しとるんやけど…

こんな綺麗な色を出す茶葉は見たことない。

嬉しいなぁ！

知らないことがあるって素晴らしいめう！

だってそれだけで自分が豊かになる。

知らないことを自慢して、知ったかぶりしとるのが1番やな奴や。

知っとるやつからするとただの害悪やもんな。

とにかく、俺はティーカップをもってゆっくり唇に付けた。

他の紅茶よりもとろみがある液体が口に入ってきた。

なんやろうこれ…形容しがたいな…

甘くて、ちょっと苦くて、それでいてすっきりしてる。

とろみがあるから、口に残るかと思ったんやけど、そんなことなくて、すっと喉に流れ込んでく感じ。

でも多分砂糖は入ってへんわ。

茶葉の甘みかな？

ショートケーキも1口食べてみた。

…激うま。

え、何このケーキ。

柔いのにしっかりしてて、それでいてほんの少し広がる甘みと苺の酸っぱさが相まって。

苺、ちょっと酸っぱいんやけど、周りについてる水飴？かな？

がいい感じに甘くて…

とにかく美味い！

えーー！

これは味に煩いグルッペンでも好きになるわ。

もくもくと頬にショートケーキを詰めて食べる。

フォーク止まらへん。

↓→←（2）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す