常連さんは幹部でした【os】

↓ ページ23

初めて呼び捨てにされて、また足が震えた。

でも肩に乗るオスマンさんの手から、ほんのりと彼の温もりがきて、私は小さく息を飲んだ。



『その…も、もう二度と私に関わらないでください！私は……………今幸せなので』



にっこりと微笑んでやった。

男たちは、心底面白くなさそうに暴言を吐きながら去っていった。

でも、今の私にはそんなの聞こえなくて、ただ、自分でちゃんと言えたことが嬉しかった。



『お、オスマンさん！言えた！言えました！』

os「うん、ええ子やね」



撫でてくれる手が優しくて、嬉しくて、私は思わずオスマンさんに抱きついた。

…ん？

抱きついた？



『は、はぅぁぁあ！』

os「なんで離れるめう？」



ぎゅーとか言いながらなおも抱きしめてくるオスマンさんの糸目が、ゆっくり開かれる。

いつもの柔和な雰囲気が、一変して妖艶になるのに、息を飲んだ。



os「で、いつ俺の女になってくれるん？」



まって。

ここ公園だよ？

めっちゃ恥ずかしい。

人いないからいいようなものの！

…でも、さ。

無理だよ。

我慢出来ないもん。



『もう、オスマンさんの女になってるつもりなんですけど？』



いつもの仕返しとばかりに笑ってやった。

オスマンさんが、いつもの柔和な雰囲気に戻る。

あぁ、目を開いている彼も好きだけど、この彼も好きだ。









私が太陽なら、あなたはきっと標識。









だってあなたは、私の、Güneş işareti(太陽の標識)だもの。

☆後書き→←（10）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す