常連さんは幹部でした【os】

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osside



ここ数日、Aさんの店はやってへんかった。

店はガラス張りになってるんやけど、いつもカーテンが閉まってて、看板も出してへん。

どうしたんやろ。

体調悪いんかな。

今日は開いてるかもしれない。

そう思って今日も店に足を運ぶ。

んー…今日も閉まっとるな。

ほんまにどうしたんやろ…

もしかしてドア開いてたり…

と思っていつもの様に扉に手をかけて引くと、開いた。



os「Aさーん？おるんー？」



入ってみて呆然と立ち尽くしてしまった。

店内は嵐でも通り過ぎたんやない？っていうレベルでぐちゃぐちゃ。

いつもの席もバラバラに壊れとるし、ショーウィンドウのガラスも割れとる。



os「なんや…これ…」



ショーウィンドウの中に入ってたであろう綺麗なケーキ達も、今やその面影を残さない。

ぐしゃぐしゃになってしまったケーキが床に散乱しとる。

…誰がやった？

考えろ。

でもAさんの店は最近城下町内でも有名になってきていて、誰かの恨みを買うなんてなさそうやし。

………外の奴？

ふと、上からかたんっと音がした。

そういえば2階は住居になっとるんやっけ。

１回だけお邪魔したことある。

あの時と同じように、ショーウィンドウの後ろにあるカーテンをめくった。

奥に続くのは小さな階段で、それをゆっくり登っていく。



os「…Aさん」



部屋の中は大きな空間で、小さなキッチンとローテーブル、それからベッド。

ベッドに腰掛けて外を眺めるAさんの頬にはとめどなく流れる涙があって。

心を閉ざしたのだとわかる。

隣に座って頭を撫でた。

さらさらした栗色の髪が、俺の黒の手袋に包まれた指に絡まって、解けていく。



『……………あれ…私の故郷の人が…やったんです』



ぽつん、とAさんが話し出した。

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