常連さんは幹部でした【os】

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『ようやく波が過ぎました…』



ふらふらといつもの場所に座ったAさんに苦笑した。



os「お疲れ様やな」



帽子を取った栗色の髪を撫でる。

気恥しそうに、でもちょっと嬉しそうにAさんが微笑むから、俺も嬉しくなるんよな。



『そういえばオスマンさん。今は戦争中なのでは？いいんです？幹部様がこんなとこにいて』



Aさんには、俺が幹部やって教えた。

驚かれるかとも思ったんやけど、さ。



《あ、そうなんですか？どうりでお洋服が素敵な訳ですね！》



以上。

いや、そういう反応の方が楽なんよ？

でもさ、ちょっと…こう………"すごーい！"みたいな反応も…欲しかったり…



os「そうなんやけど。多分もう相手が降伏しとるから」

『はぇ……さすがこの国の幹部様はお強いですね…私の故郷とは大違い』

os「そういえば、Aさんは違う国から来たんやっけ」

『ええ…まあ』



Aさんが苦笑して、そのまま次の言葉を紡がなかった。

ま、ええけど。

言いたくない事情があるんやろうなってことくらいわかるし。

無理に聞き出すほど馬鹿やないし。

こんくらいわからんと筆頭外交官なんて務まらへん。

俺はナチュラルに話を変え、2人でまた紅茶の話をした。









＿＿＿あの時ちゃんと聞いてあげれば、なんて後悔を後ですることになるとは知らずに。

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