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何故こうなったのか？
知らぬ。
ゾムの手伝いと称してグルッペンに書類を出しに来た私が馬鹿だった。
目が使えぬのを逆手にとって、グルッペンはいきなり私を抱えて、また腰を下ろしたんだ。
人の膝の上とか初めてだし、なんならここまで顔が近いのもゾム以外は初めてだから…
普通に心臓が痛い。
やめて欲しい。
gr「ふっ……恥ずかしいのか？」
グルッペンの長い指が私の頬に触れた。
そのまま手は頬に添えられて、ゆるゆると撫でられる。
顔に熱がこもっていくのがわかって、思わず身をよじった。
『やっ…やめてくれ…』
なおも撫でられ、逃げようとするものの、腰にはグルッペンの腕がまわっていて逃げ出せそうもない。
…こいつ…どこにこんな力を蓄えてたんだ！？
あんな細身からじゃ想像つかないぞ…？
頬を撫でる手が止まった。
私はほっとして逃げようとするのをやめたんだが、それが駄目だった。
何かが顔に近付いてくる気配がする。
それがグルッペンの顔だと理解するのに数拍もかからなくて、私はグルッペンの肩を押した。
『なな、なに…して…！』
gr「静かに」
腰にまわされている腕と反対の手で後頭部を押さえつけられる。
段々とグルッペンの顔が近づいてくるのがわかった。
鼻と鼻が触れ合う寸前、総統室の扉が開いた。
tn「…………何やってるん」
心底不機嫌な声に、首すじがチリッと痛んだ。
グルッペンの腕がほんの少し緩んだ隙を見計らって、私は腕の中から逃れた。
物の気配を探りながら、総統室の中を走る。
途中でトントンに抱きとめられて、安心した。
tn「大丈夫か？なんか変なことされてへん？」
トントンが優しく抱きしめて背中を撫でてくれる。
それに妙に安心して、私は小さく頷いた。
トントンが手を引いてくれて、ソファまで誘導してくれた。
ストンっと座ると、今まで詰めていた息が緩む。
向こうでトントンがグルッペンを叱ってる声がする。
それになんとなく耳を傾けながら、私はまた息をついた。
……もう、1人でここにくるのはやめよう。
誰かしらと一緒に来よう。
n「よし、んじゃ帰ろうか」
トントンが私の膝元にしゃがんだらしい。
トントンの手を借りて立ち上がった。
『グルッペン』
トントンの手を握りながら振り返る。
多分不貞腐れているのだろうな、と思って。
gr「……なんだ」
ほらな？不貞腐れてる。
『また後で来る。その時にはケーキでも持ってこよう』
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魚(プロフ) - miiさん» はう...！ありがとうございます…！ (2020年10月26日 16時) (
レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - 私がこの世界に入り、最初に見た作品が魚さんの作品でした！とても面白く、今でも大好きです！この話が完結したら活動休止するのはさみしいですが、これからも頑張って下さい！ (2020年10月23日 16時) (レス) id: fea92a175e (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 麻痺さん» ありがとうございます！今しばらくお待ちください… (2020年8月23日 21時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
麻痺 - 好きすぎる！更新楽しみに待ってますー！ (2020年8月22日 2時) (レス) id: dce11f68c6 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - アカツキさん» ありがとうございます〜！ (2020年7月7日 7時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2020年2月17日 9時
