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トントンに手を引かれて総統室を出る。
向かう先はきっとゾムの部屋。
送り届けてくれるつもりなんだろう。
tn「あんまあの人を甘やかしたらあかんよ」
『いいじゃないか。皆は弟であるゾムの友人なのだろう？ならば私の弟も同然。弟を甘やかすのは姉の特権だ』
tn「…凄い理屈やなぁ…あ、そこ段差あるから」
トントンが1度止まってくれる。
私がつまづかないようにだろう。
『心遣い感謝する。だがな、トントン。私は目が見えぬ訳では無い』
すたすたと歩いていく私を、慌てたようにトントンが追ってきた。
tn「や、でも…包帯してるやん」
『む……では字体を変えようか。しっかりと視えている』
tn「…どういう事や？」
総統室からゾムの部屋までは遠い。
……ふむ…話すだけの時間はあるか。
あまり多く話すとゾムが怒るだろうから、さわりだけ。
『私の瞳はな、少し特殊なんだ。だから包帯で隠している訳なんだが……その分だけ気察知が上手くなってな』
そういいながら階段を下りる。
トントンは私の1歩前を歩いているらしい。
万が一に落ちたら…とでも考えているのか？
言っているだろうに、気配察知が上手くなったって。
『だから、包帯で見えていなくても、気配で視えているんだよ』
私はピタリと足を止めた。
そこがゾムの部屋の前であり、私の喉元に剣が突きつけられていたから。
私はトントンが音もなく抜いた剣を手で握った。
握り締めた剣から、私の血液と共にトントンの動揺が垂れた。
tn「な、何してるん！素手で掴むやつがあるか！」
トントンがゆっくりと剣を引いた。
それに合わせて握っていた手の力を抜く。
ぱたぱた、と赤のカーペットに私の血が滴る。
ああ…気持ち悪くなってきた。
zm「………またかよ」
ゾムが出てきて私を抱え上げた。
相当殺気が濃いから、トントンが私を傷付けたとでも思っているんだろう。
彼には申し訳ないことをした。
『…私が自分からやった』
zm「はあ？馬鹿なん？」
『……すまん…トントン』
私はゾムに体を預けて部屋に入った。
トントンからはずっと不安げな気配が漂っていた。
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魚(プロフ) - miiさん» はう...！ありがとうございます…！ (2020年10月26日 16時) (
レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - 私がこの世界に入り、最初に見た作品が魚さんの作品でした！とても面白く、今でも大好きです！この話が完結したら活動休止するのはさみしいですが、これからも頑張って下さい！ (2020年10月23日 16時) (レス) id: fea92a175e (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 麻痺さん» ありがとうございます！今しばらくお待ちください… (2020年8月23日 21時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
麻痺 - 好きすぎる！更新楽しみに待ってますー！ (2020年8月22日 2時) (レス) id: dce11f68c6 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - アカツキさん» ありがとうございます〜！ (2020年7月7日 7時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2020年2月17日 9時
