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『ロボロさん…っ…！』
慌てて駆け寄ってくる女に、"俺ら"は動けなくなった。
…………………………誰や？
何か…何か大切な事を忘れとる気がする。
なんやったっけ。
『探したんですよロボロさん！』
知っとる。
なんで俺は知っとるんや？
『他の皆さんも心配してますよ？』
知っとる。
だってあいつらは仲間思いやもん。
あいつらって誰や？
『……ロボロさん？』
嫌や。
来るな。
こんな俺を見ないでくれ。
思わず後ずさりした。
でも目の前の女は更に近付いてくる。
後ろは壁。
もう逃げられへん。
手を伸ばされて、ぎゅっと目を瞑った。
そっと雑面を取り払われて、俺の頬が女の両手によって包まれる。
驚いて目を開いた。
女の、深海みたいな深い深い碧色の瞳に、角が生えて血糊がべったりとついた俺の顔が映った。
逸らしたいのに逸らせなくて、その深海の瞳に絡め取られる。
『ロボロさん』
優しく優しく声をかけられた。
だんだんとその碧が近付いてきた。
直前で閉じられたその睫毛を俺は凝視しながら、Aさんの唇を受け止めた。
…………………ああ。
『私はここにいます。お願い……戻ってきて…』
なんで忘れとったんやろか。
気付けば俺はぼろぼろと涙を零しとった。
俺は膝を折って、両手で顔を覆った。
嗚咽が漏れるけど、もう気にしてる余裕なんてないねん。
Aさんは俺の頭を優しく両手で包んでくれた。
俺の体からは呪いの影響で瘴気が出てるらしくて、Aさんの手からは焼けるような音が聞こえてくる。
rbr「はよ…はよ離れてや！死ぬで！？」
泣いたまま、ぐっとAさんを押し返す。
Aさんの右手には瘴気で出来た火傷のような、痣のようなものが出来てしもた。
『…ふふっ。ようやく元のロボロさんに戻った』
嬉しそうに俺の額を撫でてくるその手の感覚で、俺の額から生えてた2本の角が無くなってる事に気付いた。
『さ、帰りましょう？皆さんの所へ』
立ち上がって手を差し伸べてくれる彼女の小さな手を、俺は恐る恐る握った。
血の匂いがする衣を引き摺り、刀を捨てて俺らは洋館を後にした。
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コレット(プロフ) - れいんさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！これからも頑張りますね！ (2020年1月22日 5時) (
レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
れいん(プロフ) - 初コメ失礼します！神の依代から陰ながら応援させて頂いてます！新しい作品に、これまで作った夢主ちゃんとかを出すという発想とても好きです(語彙力なくてすみません)これからも応援させて貰います！(長文失礼しました) (2020年1月21日 22時) (レス) id: e9740cac4f (このIDを非表示/違反報告)
コレット(プロフ) - あめさんさん» 重症です助けてください (2020年1月20日 7時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
あめさん(プロフ) - コレットさん» 重 症 だ っ た 。 (2020年1月20日 7時) (レス) id: 8fcf54a0b3 (このIDを非表示/違反報告)
コレット(プロフ) - あめさんさん» ありますねこれは。どうしよう…もう私には指の残像しかみえない… (2020年1月20日 6時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コレット
| 作成日時：2020年1月19日 9時
