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19^ ページ20

「涼介あっつい…」





すぐ体調を崩してしまうAは滅多にエアコンをつけない。
いつも除湿と扇風機で乗り切ってるらしい。





だから、この部屋もムシムシとして暑い。
でも、俺はAにぴったりくっついて寝ていた。





身を捩るA。
目の前にある項にはうっすらと汗が滲んでいた。





寝たフリを突き通すと諦めたのか、小さくため息を吐いて俺の方を向いた。


咄嗟に目を瞑る。






「ね、起きてるでしょ?暑いから、そっちよって」







…なんだバレてたのか。
ゆっくりまぶたを開いてAを見る。


暑いけど眠たいのだろう、とろーんとした瞳が俺の移動を急かす。






「んん、」







すこしだけ外側にズレると嬉しそうに目を細めてありがとうと笑った。





ドキドキと心拍数が上がるのがわかる。
この心臓の音が聞こえていないか、すごく心配になるくらい。







こちら側を向いたまま眠ってしまったA。





今日だけ、



今だけでいいから









白くて綺麗な頬に唇が触れる。









「……っはぁ」









息を止めていないと崩れてしまいそうで。
離れて直ぐに酸素を体に取り入れる。



相変わらず幸せそうに眠るA。



伊野尾なんかに……。

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作者名:にゃむ | 作成日時:2019年5月23日 23時

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