風柱、行方不明につき。【鬼滅の刃】

捜索陸 ページ6

中に入ってすぐにお館様に会ったわけでは無い。
私は別室でお待ちくださいとこけしみたいな可愛い子に言われたし、


グーちゃんなんて門の外でお待ちくださいって言われて暴れてた。


結局置いてきたけど。


きっと冨岡さんが先に事情を話しているんだ。


「逃げたい帰りたい会いたいいいい」


結局たどり着くのはそこ。
うん、やっぱ風柱様に会いたいんだよね



すると部屋の外から声をかけられた。

「A様、お館様がお呼びで御座います」




立ち上がってこけしちゃんのあとをついていくと、お館様のいる広間へ通された。


もちろん冨岡さんもいた。
刀もね。



「よく来たね、お座り」


そう言われ素早く座った。
冨岡さんから何を聞いたのか、これから何を聞かれるのか……考えすぎて心臓バックバク。


「では…Aからも話を聞こうかな」


優しい言い方がなんだか逆に怖くて冷や汗が止まらない。






「この刀、実弥の物なんだよ」



「えっ」


思わず目を見開いた。


実弥って、風柱様……？？？！？
だよね！？そんなかっこいい名前風柱様しかいないもの！！！！！！





「実弥が刀を忘れるはずがないと思うんだ。A、何か分かることはあるかい？」


柱たるもの刀を忘れるはずがない。

けれど私は本当に分からない。


「い、いえっ、私が到着した際にはもう鳥が一羽とその刀だけでして。鬼も風柱様もいらっしゃらず……」


お館様が鳥という言葉に反応する。




「鳥…かい？」



不思議そうな顔をするお館様に、

「鳥…です」



私も分かりません。と不思議な顔をして返した。
いやその反応が普通ですよね。

私も鳥！？って思いましたから！！




「…そうか、うん、大体理解できたよ。では、実弥捜索をその鳥と共に君に頼んでもいいかな？」


一瞬どころか今なにか考えたんですか？ってほどに早かった。


けれどそれよりも後半の言葉が驚きで。





「え」


衝撃的な言葉に私の口元は緩み、ヨダレが出そうだった。


だが、冨岡さんに冷たい声で




「お館様の前で阿呆な顔をするな」


と言われたので我に返った。







「はっ、はい、すみません！！このAめが必ずや風柱様を見つけ出してみせますっっ」





そう言って急いで顔を伏せた。


お館様から直々に！！！



風柱様との接点が！！！！！


約束された！！！！！！







「宜しく頼むよ」







そう言って笑ったお館様の顔は柱が行方不明になった顔では無かった。

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