風柱、行方不明につき。【鬼滅の刃】

捜索卅壱 ページ31

「不死川の件も口を割らず、女を見張ることを出来ないコイツは鬼殺隊の恥だ」



そう言われて雑用になりました。

反論するならばせよ、した場合斬るがな。と脅されればもう何も言えませんよね？


グーちゃんも器用に足で拭こうとしているけれど、いいんだよあたしやるからさぁ！！





それにしたって二ヶ月も此処にいるよ？


「グーちゃん、いつになったら風柱様に会えるの？」


思い返せば探し始めてかなり経ってしまった。
今では鬼殺隊の一番の話題である。


鬼に喰われてる説、鬼に成った説、はたまた修行をしている説、妖怪に攫われた説……



「グエッ」


グーちゃんはくだらない、と一つも耳を貸さないけれどこの話重要だと思うんだよなあ。

だってあたし達も探してるわけだし。





「はあ、それにしたって雑用だなんて。ひどいよねえ？」

「………」

ガン無視。
そりゃそうだよね、二ヶ月間毎日毎日言ってますからこれ。



ふと、刀を見た。
風柱様の大事な刀。


いつぞやこの刀を自分の手で渡すんだ、と思っていたらこんなことに。


…隠にまで入って追っかけしたのがそもそもの間違い？？
なんだかいつまでも会えないとこういう不安も出てくるわけで。いつもいつも頭を悩ませる。




風柱様の刀を見て元気を出そう、自分に鞭を打とうと思い、刀を抜いた。



「失礼しまーす…」

慎重に慎重に。大事なものだから。
今実質盗人みたいな感じだから。

グーちゃんも気になるのかいつの間にか隣にいて眺めていた。


元気をくれると思った風柱様の刀。



それは、









「………あー……」

「グガアアアッ」





グーちゃん滅茶苦茶ショック受けてる…。

手入れしていなかったせいで錆びてきている。




二ヶ月以上前の新月のあのとき以来刀を抜かなかったからだ。
背中に“殺”とかかれた剣士が使った時。


抜くの気が引けて手入れもしてあげられなかった。うわーーん、こんな事態になるなんて。


こんな刀渡したら風柱様になんて言われるか……。






「グアッ！！」

「え、なにグーちゃんすごいやる気だね？」





この刀を見て、グーちゃんが珍しく声を荒らげている。
何事だろうと聞いてみると…

ふむふむ、刀を打ち直してもらう？


ああ、それいい！！！！
そうすればこの蛇柱屋敷から出れるし、風柱様にも怒られないし！


そうと決まればいざ！刀鍛冶の里！！！
思い立ったら即行動。









☆さあ物語も終盤ですよ_____

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