捜索卅漆 ページ37
金魚に斬られ倒れたあたしは今幻覚を見ているのだろうか。
目の前に、あの日と同じ、“殺”の字を背負った剣士様がいる……。
どうして??
「風の呼吸 弐ノ型 爪々・科戸風 」
風の呼吸を使う剣士。
あの新月と同じ人…??
その言葉を聞こえたあと、誰かが此方へ来た。
きっとあの忌まわしき金魚を倒してくれたんだ。さすがだなぁ。
「…グー…ちゃ……」
グーちゃんだと思った。
だって人間にしたはずだもん。
だけど言葉が途中で止まってしまった。
驚きすぎて口が塞がらなかったから。
あたしの顔を覗いたのは、居るはずのない風柱様。
「…………は?」
夢でも見ているのだろうか?
ずっと会いたかった人が今あたしの顔を覗いている。
変な顔していないか。
心配するが今のこの顔は絶対変な顔だ。
ていうかなんで??なんで???
色々考えていると風柱様が口を開いた。
「テメェ、は?じゃねえ。何割り込んで来てんだ死にてえのか」
ポカーンとするあたしに腹が立ったのか怪我をしているのもお構いなく叩かれた。
「お前が死んだら俺がグアグア言ってた意味がねぇだろうがァ」
いたっいたっ。
そこ傷口っ。いたっっっ。
何故目の前に風柱様がいるのか、グーちゃんを人間にしたはずなのに失敗しちゃったのだろうか。
訳分からないことが多すぎてあたしは考えるのを諦めた。
………でも風柱様、つつくの辞めて。
「グアグアって…グーちゃん……?」
風柱様の言葉を拾って聞いた。
けれど眉を寄せられ、
「気づくのが遅せェ」
と言われ上半身を起こされた。
いたたたた、傷が痛い。
すると風柱様があたしの服を脱がせはじめたので何事かと目を疑った。
「な、にするんですか!?」
「あ"ァ?応急処置だろうが。いちいち聞くな」
と怖い顔で早く荷物出せと言われたので黙って荷物を渡した。
そうだあたし隠だったからちゃんとこういう場合に備えて荷物持ってた。
忘れてたけど。
「いっ、やいや、でも風柱様にしてもらう訳には…」
ハッと我に返って自分の立場を思い出した。
柱である風柱様にこんなことさせられない。
「俺の目の前で着替えてただろ」
サラッと言われたこの言葉であたしの羞恥心はどこかへいってしまった。
は????????
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やぁ - 全部の作品繋がってますよね?!やばい!まじすごい!もう一周してきますヾ(´▽`*)ゝ (2021年7月31日 14時) (レス) id: d87333c5a5 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - キュンキュンしました!実弥の、蛙の王子様ならぬグーちゃんの王子様!トテトテついてくるグーちゃんは可愛いし、実弥に戻ったらすごくかっこいいし!物語の内容も面白いし、最高です!実弥に恋してしまいそうです、どうしよう笑!幸せな時間をありがとうございました! (2021年7月23日 12時) (レス) id: 6a2842892c (このIDを非表示/違反報告)
赤目のなりすまし(プロフ) - 柿ピー。さん» 柿ピー。様、そのお言葉とても嬉しいです………(;;)読んでくださってありがとうございました(;;) (2019年10月23日 1時) (レス) id: 52f4f26d76 (このIDを非表示/違反報告)
赤目のなりすまし(プロフ) - レンさん» レン様見ていただきありがとうございました!!!これからも頑張ります〜〜〜(;;) (2019年10月23日 1時) (レス) id: 52f4f26d76 (このIDを非表示/違反報告)
柿ピー。 - 神作品... (2019年10月19日 14時) (レス) id: 49a5bdcfae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤目のなりすまし | 作者ホームページ:http://instagram.com/nuka___1111
作成日時:2019年9月19日 21時