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逃亡廿肆 ページ25

後ろを向けない。


怖い。絶対殺される。







ここまで逃げてきたのに。
何年も見つからなかったのに。





ここで終わっちゃうの?








嫌だ。堕姫様といたい。





完全に固まって動けない私の耳元で天元様が呟いた。













「A、俺以外の何人と地味に夜を明かした?」







優しく言ってるつもりなのかもしれないが、少し怒りが伝わってくる。



これ変な事言ったら絶対私の首飛ぶ。






現に天元様の右手は私の手を掴み、左手は私の首にある。


飛ばす準備してますよね?

それに派手な夜の明かし方とは??







私はゴクリと唾を飲んだ。


自分の心臓の音がこの静まり返った部屋に響きそうなほどうるさい。






声が、出ない。
出せない。どうしよう。



「地味に逃げられるために俺はお前を育ててきたわけじゃない」



先程とは違い、怒りが伝わる。





分かっています。

でも私が逃げたのは、天元様が…







「増してや、他の地味に暮らす男に嫁がせるためでもない」




低い声で言われた。


そして左手で首を絞められる。




「う"っ、」





苦しい。痛い。辞めて。



天元様の握力は化け物並み。
私の首を片手で折ることなんて余裕だろう。





だが絞めている左手の力が弱まった。







「安心しろ。こんな派手な殺し方しねぇから」



と言って天元様の手が私の首から離れた。






「ゲホッ、う…ぅ…」





咳き込んでから酸素を吸い込む。

苦しかった。すごく。こんなの派手な殺し方ではないとは思うけど。





「お前にはもっと苦しませて地味に殺してやる。覚悟しておけ」



「………」






結局殺すんですね。





そして天元様は冷たい声で









「…それと、お前の仲のいい鬼もな」







と言った。
それは堕姫様のことを言ってるんですよね?


そんなこと、許しません。
私ならまだしも、堕姫様には手を出さないで。







「そんなの、」


反論するため振り返ると、






もうそこには誰もいなかった。

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麗葉 - 堕姫様ってよく考えたら「片付けろ!」とか「花魁の言うことなのだから禿はしっかりこなせ!」ぐらいしか言ってない、、、梅様LOVEです。 (5月17日 0時) (レス) @page42 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - 素晴らしい皮肉とツンデレを交えた濃厚なメリバヤンデレ……最高過ぎます。話のテンポも軽快で終わり方も素晴らしいです。書いてくださりありがとうございますm(_ _)m (2023年1月10日 0時) (レス) @page42 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
ザイ(プロフ) - はれて堕姫様推しになりました!!最高です!! (2022年12月10日 8時) (レス) @page42 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - 堕姫さま、、、、、😭😭😭😭 (2022年10月20日 6時) (レス) @page42 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
バレーボール - 堕姫様推しとしてとても素晴らしい作品に出会えて光栄でした。ありがとうございました。 (2022年2月21日 20時) (レス) @page42 id: a6efa60e38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤目のなりすまし | 作者ホームページ:http://instagram.com/nuka___1111  
作成日時:2019年9月12日 21時

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