私の客を取らないで【鬼滅の刃】

逃亡拾陸 ページ17

今日は津田様だったので、床入りは無かった。

でもこの人がもしかしたら昨日、帚木と話していた人かもしれないと思うと、笑顔が引きつった気がする。


ちゃんと笑えていただろうか。



津田様の話も頭に入らないままさよならの時間になった。



少し申し訳なかったが、次会う時にはしっかりお相手できるだろう。









部屋に戻る途中で蕨姫と会った。

蕨姫に今日聞いたことを伝えると、



「そう。よくやったわ。」



そう言って褒めてもらえた。
滅茶苦茶嬉しかった。



蕨姫はすることがある、と言って何処かへ行ってしまった。




なにをするんだろう？？？








それから自室へ行き、体を休めた。



三時間くらい寝よう寝ようと思ったがなんだか胸騒ぎがして眠れなかった。


気分を変えるため外に出ようかと思い、玄関の方へ向かった。








向かう途中で松風とすれ違った。


物凄く慌てて走っていた。
こんな時間なのにどうしたのだろう？




「ねえ！帚木見てない！？」


声をかけられ少しびっくり。



「見てませんけど」

「昼将棋一緒に指してたでしょ！？何か聞いてないわけ？？」


迫力がものすごい……。
着物を掴まれた。


「どうしてそんな帚木のことを聞くんです？」









「いなくなったからよ！！！！」



その言葉が1番衝撃だった。

いなくなった？？？昼、話していたのに。

頑張ろう、って言ってきたのは帚木の方ではないか。






「え…そんな……いつですか？」



「三時間は居ないの。こんな時間なのにそんな長い間外にいることなんて無いでしょう！？」


「…三時間前…」






最後蕨姫に会ったのが大体そのくらい。
いやまさか、そんなことは無いとは思うけど。



一応、確かめに。





「私も探してみます」


「お願い！！」



そう言ってまた走って行ってしまった。

私も、蕨姫の所へ行きますか。







「蕨姫、いらっしゃいますか？」

「いるけど」





部屋の中から声がした。



「開けますね」



随分あっさり部屋に入れてくれた。
なんにもないのかな。






開けると蕨姫はこちらに背を向け鏡を眺めていた。


その横には、着物と、顔が変形した死体。







一瞬言葉を失った。









「蕨姫、それは」


「なんだと思う？」



鏡を通して目が合った。

艶美に微笑む蕨姫。






聞くのが怖い。









☆さあ、なんでしょうね_____

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