【文スト】チェロの音はもういいから！！【ドストエフスキー】

二十五曲目 ページ25

朝日が射し、気持ちのいい目覚め…


なんてものは地下にあるこの部屋で寝ているのであれば誰しも1回は夢見るのではないだろうか。



(眩しいなもう朝か…って思ってた頃が懐かしく感じるよ…………)





｢起きて一発目に目にする人が、この爆弾人間1号の｣


｢ドストエフスキーです｣


｢そう、このドストエフスキーです






って、ノるなよっっ｣



｢声に出しているのが可愛くて…｣


うっとりした顔でこちらを見ないでほしい。




｢嘘、声に出てた…！？｣




実は昨日、この爆弾人間にカミングアウトさせて知ったのだが、

どうやら自分は思ったことを口に出してしまうらしい。





(嫌な癖だな)



自分には自覚がないのだが。

そこが1番厄介である。






｢今日のご予定は？｣



あるはずもないのをわかっていながら聞いてくるあたり、性格がねじ曲がっていることを改めて実感する。




｢鉄格子の中から必死に助けてーと叫ぶことです



今日のご予定は？｣







｢今日は地上へ行きます｣



(……！！！)





キタ…っ！！脱出チャンス…！


一瞬目が爛々としてしまったが、わかりやすい態度を取らないように気をつけなければ。





｢いい子で待てますよね…？｣


｢待てます｣


どうぞ早く行ってくださいとばかりに即答してしまった。




(気づかれたらダメだ…)




｢朝食は、そこのテーブルに置いておきましたので、食べてくださいね｣








｢あ、あと、鉄格子の鍵、誰かに壊されたみたいなので、気をつけてください｣





(？？？？？？？？？？)







壊された…………？？？

いや急に物騒すぎる話をぶっこむな。


これだから爆弾人間は…。



狙われてるってことなのだろうか？それとも自分が脱出するのを手伝ってくれているのだろうか？




(よくわからないけど、ラッキー？)






そうこうしていると、いつの間にか爆弾人間は居なくなっていた

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