【文スト】チェロの音はもういいから！！【ドストエフスキー】

十二曲目 ページ12

｢ですが、安心してください。











ぼくは貴方と交際していること、ちゃんとわかってますよ｣






背中に温もりを感じたのはその直後だった。




フェージャに後ろから抱きつかれている。


見た目によらず、フェージャは暖かかった。





そのおかげで、

(ほんとにこれ夢じゃないんだ)



と、夢オチを見事にひっくり返された。





心臓の脈打つ音がフェージャに聞かれないか心配だったが、この速さは恋ではない、焦りだ。



そうでなきゃ、、




(きっと、またややこしいことになる)



今はっきりと、フェージャが狂っていると理解ができた。




(理解したくないけど…)






…………





…………とにかく！今はこの体勢をなんとかしたい。


(小っ恥ずかしい)




｢あの、離れてもらってもいいですか…｣

｢…………｣



(無視か)



舌打ちしたい気持ちを抑えて、交際した(勝手にされた)日を聞き出そう…





｢フェージャさん、






あたしとフェージャさんの記念日っていつでしたっけ……告白方法とか…｣





｢…………ぼくと貴方の記念日4月26日で、ぼくの薔薇を受け取ってくれたでしょう？｣





(あ、









あの薔薇ってそーゆー意味だったのおおおおおおおおおおお！？！？！？！？！？)





いやそりゃあ受け取りましたけども。匿名で頂きましたけども。


でも一方的すぎない！？






驚きを表情に出さない称号をぜひとも貰いたいものだ。よく我慢した自分……！！

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