8話目 ページ10
魔界居酒屋"げんこつや魔"にて、Aとダリは肩を並べて、酒を嗜んでいた。
ダリ「いやー!最近仕事も立て込んでてさ〜?ゆっくり呑めなかったんだよねぇー……」
そんなダリの言葉に、Aはくすりと小さく笑みを零す。
『それは、大変だな……でも、偶には休息も必要だぞ』
ダリ「そうそう!だから今日はちょっとハメ外そうと思って♪」
『別に構わないが……飲み過ぎても介抱はしないぞ?』
ダリ「大丈夫大丈夫♪」
Aの言葉に相槌を打ち、ダリは酒を煽った。
それから一時間程経過し、二人のテーブルは空になった酒瓶だらけになっていた。
『……、ひっく、うぅ……同期ぃ、お前はさ、ほんとに凄いよ……』
Aは酒が回り切ったのか、少し口調が幼くなっており、顔も赤くなっている。
ダリ「いやぁ〜、本当?嬉しいなぁ〜♪」
Aのペースに釣られて、ダリも酒が回ってきているらしい。
その頬も少し朱に染まっていた。
『……ひっく、頭も良いし、要領もいいし、優しいし……おまけに面まで良いと来た、』
ダリ「ふっ……ふははっ!」
そんなAの姿を見て思わず笑いが込み上げてきたのか、ダリは声を出して笑い出した。
ダリ「あははっ!そんな事ないよ〜♪」
Aはそんなダリの様子を見て眉を顰める。
『そんな事あるだろ……何で私なんかと同期なんだ………
ぁ、トイレ行ってくる……』
ダリ「はいはーい♪行ってらっしゃ〜い」
ダリはAを見送ろうと、ひらひらと手を振る。
そんなダリを見て、Aは少しふらついた足取りで個室を出て行った。
ダリ「あ〜あ……飲み過ぎだよ」
そんなAの後ろ姿を見送りながら、ダリは楽しそうに笑っていた。
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作成日時:2023年12月13日 7時