１話目 ページ2
数多くの悪魔が共存し、共に助け合い、共に高め合う、
其の学校の名は＿＿"バビルス"
１学年〜６学年まで、６６６人の生徒が門を潜る此の学校は
先代魔王である"デルキラ"を筆頭に、優秀な悪魔を多数輩出している＿＿まさに悪魔学校。
そして今日、バビルスでは入学式が行われ、新たな学校生活が幕を上げる＿＿
『……筈だったんだけど、』
悪魔学校バビルスの教師であるAは、職員室にて頭を抱えていた。
理由は単純＿＿今日が入学式であるというのに新任教師が来ていないのだ。
普段と何ら変わらない表情をしているAだが、その背中からは禍々しい負のオーラが悶々と流れ出ている。
ダリ「A、そんな気負わないでよ〜」
そんな中、Aの机に魔茶を置く勇者が一人＿＿
そう、教師統括、ダンタリオン・ダリだ。
『……あぁ、同期……私はどうすれば良いんだろう？』
ダリ「ははっ…A、新任の先生が入って来るの楽しみにしてたもんね」
『連絡が無いし…あ、もしかして事故にあったとか？誘拐？』
Aは魔茶を啜りながら同期であるダリに視線を向ける。
ダリ「まあまあ、落ち着いて？本当に、焦ると口数が多くなるね！はい、深呼吸ぅ〜」
『スゥー………ハァー………』
ダリに促されるまま、Aが深く深呼吸をすると、
それと同時に６時を告げる鐘が職員室に響き渡った。
ダリ「…よし、行ける？」
『………任せてくれ…』
そう言うと、Aは深く息を吸い込み、口を開いた。
『…先生方、新任は欠席という体で式を進めます。各自持ち場へ、即座に移動して下さい！』
そのAの言葉により、職員室の雰囲気が一気に重しがかかったように重くなる。
「「了解！」」
＿＿＿＿遂に入学式が始まるのだ。
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作成日時：2023年12月13日 7時
