吸血鬼が51人 ページ3
そろそろ本当に限界だ。
既に体中の力は抜け、ただ単に壁に押さえつけられている人形のようになっている。
苦しい。
ジリジリと頭痛の痛みが増し、視界に何も写っていなくともぐるぐる目が回る感覚だ。
そもそも誰なんだ…?私の首を絞めている人は。
苦しくて辛いこの状況でも冷静でいられる自分に驚いた。
ああ…死の直前、人は冷静でいられるって本当なんだな。
てことは私はここで殺されるってわけか…。
自分の喉からヒューヒューと怪しい音が聞こえる。
意外と人って息しなくても持つなー。
数分たったぞ。
他人事のようにベラベラ心の中で喋る。
でもそれももう終わりだ。
そろそろ本当に意識が飛びそうだ。
もう助からないと確信し、身を相手に任せる。
「⁈っゲホッゲホッ!はっ、ゲホッ!」
急に肺いっぱいの空気が入ってきた。
一気に大量の空気を吸ったので勢いでむせ返る。
一体何が起こった。
気がつけば私は地面に横たわっていて、上手く呼吸がつかめない。
「どう?辛い?苦しかったでしょ?」
薄っすら目を開けると誰かが私の前にしゃがんでいた。
ボヤけていてよく分からないが、金髪で皆んなと同じマントを羽織っているのが分かる。
「...なんで...こんな、事したん、...
ですか...」
「なんで?決まってるじゃん。お前の存在が迷惑だからだよ。殺してあげる」
「っ⁈」
無理やり手を引っ張られ再び立たされる。
いきなり立ったせいか、さっきの首絞めのせいか、身体がもう自分の物ではないように感じた。
今の私は彼の人形状態だ。
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白猫 - 続きが気になりすぎてヤバい!!作者さーーん!!! (2019年2月17日 7時) (レス) id: 31ca7faa7d (このIDを非表示/違反報告)
匿名ちゃん - 館の人達」はどうなったんだ・・・ (2019年1月7日 14時) (レス) id: a1c366449e (このIDを非表示/違反報告)
裏鼓 月夜 - まってつづきが気になる (2019年1月3日 23時) (レス) id: 66718f710e (このIDを非表示/違反報告)
留空-るぞら-(プロフ) - くあまそさん» コメありがとうございます。温かいお言葉すごく嬉しいです!期待に答えられるような作品にできるよう頑張ります! (2018年7月11日 22時) (レス) id: 812462b112 (このIDを非表示/違反報告)
くあまそ - お疲れ様でした!とても楽しく面白く、そしてドキドキしながら読ませて頂きました!次回作期待します((ありがとうございました! (2018年5月22日 0時) (レス) id: 345ac3a1a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:留空-るぞら- | 作成日時:2018年4月11日 11時