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タクシーで小一時間ほどで着いたそこは、人気のない森林であった。
少しだけ進んだところに小さな門があり、私たちはそこで降りた。
知らない所に連れてこられたのが少し不安になり、私は立ち止まった。
「ジョングク、ここはどこなの?」
わたしの手を引いてた彼は振り返り、微笑んだ。
JK「ふふ、怖がらないでA。ここはうちの代表が所有している、別荘みたいなもんだよ」
何も怖いことなんてないから、と私の肩を優しく抱き、足を進めた。
木々に囲まれた細い一本道を、ゆっくりとした足取りで進む。
時折吹く風が心地よく、私は目を閉じた。
JK「こら、目を閉じたら転ぶよ」
「ふふ、ジョングクがいるから大丈夫」
隣にジョングクがいるのを感じながら、私はゆっくりと目を開いた。
見えてきたのは、白い二階建ての洋風な建物だった。
玄関には満開のツツジが咲いており、木製の扉から白頭の女性が出てきた。
JK「こんにちは。急に来てしまってすみません。A、こちらはこの家を管理してるハンさんです。」
H「ハンと申します。可愛らしいお嬢さんだこと。ジョングク、Aさん、よく来てくださいました。」
中でゆっくりしていってと、ハンさんは私たちの背中を押した。
室内は、外観の白一色とは異なり木のぬくもりが感じられる空間だった。
廊下を進むと、広い居間へたどり着いた。
壁際に置かれた大きな柱時計が規則正しい音を響かせている。
天井が高く、広々とした室内には、外から吹く風が深緑色のカーテンをひらひらと揺らしていた。
「とても素敵なお家ね。ここにはよく来るの?」
JK「そうだね、昔はよくみんなで来ていたよ。今は忙しくてなかなか来れないけど…」
ジョングクは棚の上にあった写真たてを手に取り、懐かしむように目を細めた。
H「ちょうどジョングク達がデビューしたばかりの頃、よくここで合宿をしたもんね。あれからもう5年も経つなんて、あっという間ね」
ハンさんは腰掛けで手を拭いながら、私の元へやってきた。
H「Aさん、素敵なお着物を来てらっしゃるのね。普段からそうなの?」
着物が珍しいのか、ハンさんは目を輝かせながら帯の結び目や袖を撫でた。
「いつもではないんですけど、たまたまこれしか持ってなくて…」
今度、動きやすいロングワンピースを買いに行こうかと考えてると
H「そうだわ!ジョングク、Aさんを少し借りるわね」
ハンさんは思いついたように私の手を引いた。
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ゆき(プロフ) - 共感していただいて嬉しく思います。私もトンイが大好きなので、ついつい話に織り込んでしまいました。コメント頂き、ありがとうございます(^^) (2018年8月6日 7時) (レス) id: 62b0c80745 (このIDを非表示/違反報告)
しずく より(プロフ) - 初コメ失礼します!トンイすっごい好きなんですけど、周りに好きな人がいないのでお話中に出てきてて勝手に喜んでます(((( (2018年8月6日 3時) (レス) id: 8a59c88b0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2018年6月27日 22時