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HN「Aちゃん、帰ってきたのね!もう、びっくりしたわよ!こんなにお客さんが来るなんて、言ってくれたら駆けつけたのに」
旅館へ戻るや否や、ハンさんが両手にいっぱいのひまわりを抱えてやってきた。
「わわわ、ごめんなさい。その、驚かせたくて。それにしてもハンさん、そのお花どうされたんですか?」
ハンさんは目尻にシワを寄せ笑った。
HN「これはね、最近Aちゃんが元気ないからって、レンから頼まれたのよ。あ、でも本人には内緒よ。」
ここ連日、お客様が来なくて参っていた私を案じてか、レンがハンさんに頼んだそうだ。
「ふふ、レンったら、ひまわりはお母さんの好きなお花なのよ。でも、嬉しいわ。」
ハンさんからひまわりを受け取って、ジョングクの方に振り返った。
「綺麗でしょ?このお花、ロビーに飾ろうかしら」
JK「うん、とても綺麗だね。A、ちょっとこっちへおいで。」
彼に誘われて、私は玄関先の暖簾の前に立たされた。
カシャ
ジョングクは、手にしたスマホで何も言わずに私を撮ったのだ。
「ちょっと!撮るなら撮るって言ってよ!お化粧だってろくにしていないのに…」
JK「Aは、そのままが一番かわいいんだよ。ほら、この写真、よく撮れてるでしょ」
彼が言うように、写真はよく撮れていた。
色合いも良い具合に調整され、ひまわりの鮮やかさが綺麗に写っていた。
「うーん…そうね、綺麗に撮れてるね」
JK「そうでしょ?Aにも送るから、カトク交換しよう」
ジョングクに言われ、私はハッとした。
カトクを、使ったことがなかったのだ。
高校を卒業してからここに来たわたしは、友達がいるわけでもなく旅館のメンバーとしか顔を合わせないから連絡も会った時か電話で済ませていた。
カトクを使う必要もなく、ダウンロードだけはしたものの一度も開いたことがないのだった。
「あ、あのね…私、カトク使ったことがなくて…」
今時カトクを使わない20代っているものなのかと、自分でも恥ずかしくなった。
ごにょごにょと告げる私に、ジョングクは何故か微笑んでいた。
JK「よかった…俺が、初めての友達なんだね。」
まさか、そんなことを言われるとは思っていなかったので、私は驚いた。
「今時カトクを知らないって、引かないの…?」
JK「まさか。むしろ、嬉しくてたまらないよ。」
俺が一から教えてあげるねと言って、ジョングクは満足そうに笑った。
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あーちゃん(プロフ) - とりま最高 (2019年10月10日 16時) (レス) id: 578ed0c715 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 愛(サランさん» ありがとうございますm(_ _)m 次回作もお楽しみに…笑。 (2019年3月21日 16時) (レス) id: 6fb3a64d96 (このIDを非表示/違反報告)
愛(サラン(プロフ) - お、おわり、、 めちゃくちゃ面白かったです!ありがとうございました!次もあるなら待ってます!お疲れ様でした (2019年3月21日 14時) (レス) id: bbbfbb5774 (このIDを非表示/違反報告)
つき - 凄い面白いです!更新頑張って下さい! (2018年12月17日 15時) (レス) id: e9fb8ac079 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ちあさん» ありがとうございます。頑張ります♪ (2018年12月6日 14時) (レス) id: 62b0c80745 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2018年9月14日 15時