夜の花が咲く前に。１ 〜Artificial flower〜 【約束のネバーランド】

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［レイside］


「ちょっ…ノーマン！おい、ノーマン！」

図書室に入って最初に見えたのは爆睡するノーマンだった。

ったく。前のエマみたいに突っ伏して寝てやがる。

近くを見渡すと同じように突っ伏しているヤツがもう一人いた。

睡眠薬でも盛られたか…？

取り敢えずノーマンを起こす。

「…？あ、レイ」

本人は寝ていた感覚がなさそうだ。

じゃあ、あいつもか。

「あっちを見ろ」

まだ寝ているアイツを指さす。

「ああ、A」

声がハッキリしてきた。脳も起きてきたらしい。

ノーマンは、すたっと立ち上がると、Aの方へ向かっていく。

俺はその後を追わずにノーマンの手元にあった本を覗く。


『ウーゴ冒険記』…？


アイツ、こんな冒険小説読むキャラだったか…？


「…？あ、ノーマン」


Aの声が聞こえて顔を上げる。

彼女は俺に気づくと、

「じゃ、お休みなさい」

と速攻で逃げていった。

扉を閉める寸前、ちらりとこちらをうかがって。

その視線は完全にこの本に向いていた。





Aが速攻で逃げていったのは…。

俺が来たからではなく、俺がこの本を持ったから…？

何となくそんな気がした。









A。









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿お前は何を。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿俺達から隠し守っている？＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿









考えようとしてやめた。



余計、分からなくなるからだ。

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