〜43松目〜 ページ46
『……お姉ちゃん、ありがとう』
やっと絞り出した言葉は、なんだか素っ気なくて。
少し情けなくなったけど、頬を流れる涙のせいか下ばかり見てるからなんか安心。
トト「もー、あんたはまた泣いてー」
そう言って呆れたように笑うお姉ちゃん。
お姉ちゃんは、俯いたままの私の頭をぽんぽんと撫でた。
歳は同じなのに。
こういう時、『あぁ、やっぱり"お姉ちゃん"なんだな』って実感する。
お姉ちゃん。
_ありがとう_
たった5文字だけど、この5文字の中にはお姉ちゃんに対しての感謝がたくさん込められている。
『助けてくれてありがとう』
『大事にしてくれてありがとう』
『支えてくれてありがとう』
『私を思ってくれてありがとう』
『私の、お姉ちゃんでいてくれて
ありがとう』
それから、泣き止んだ私とお姉ちゃんは雑談をしてた。
そんなとき、
チャラーン
『……誰からだろ』
私のスマホがメールを受信した音を鳴らした。
すぐさま確認すると
【件名:夜遅くにすまない。
内容:今から少し会えないか?
すぐそこの公園で待ってる 】
見てみると、カラ松くんからのメールだった。
今から……。
ケータイの時計を見ると、9時を過ぎていた。
まぁ、少しくらいなら大丈夫だよね。
私は、カラ松くんに【大丈夫だよ。わかった、今から行くね】とメールを返した。
トト「誰からだったー?」
お姉ちゃんがいつ持ってきたのか、ソーダ味のアイスを口に含みながら自分のスマホを弄って聞いてきた。
器用だなぁ……
『ん、友達から。ちょっとすぐそこの公園まで行ってくるね』
『すぐ戻るから』と付け加えて玄関へと走る。
庭の方から、「気をつけてねー」という声が聞こえたのを確認してクロッ●スを履き、家を飛び出した。
ただのメールなのに、どうしてこんなに嬉しいんだろう?
大した用事でもないのに、なんで急いでるんだろう?
頭ではわかってるのに、心はわかってなくて。
私の心は舞い上がる一方だった。
1277人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「シリアス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
偶数LOVE!(心々) - 感動しました、、 筋肉、天使ですね。はい。最近十四松も好きなんですよ。(元、数字推し)続編読んできます。 (2019年8月25日 5時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)
壱 - 感動しました!すっごく泣きました!これからも応援してます! (2019年7月15日 1時) (レス) id: 94ed33be30 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール - マ、マフラーはどうなったのでしょう? (2017年8月12日 15時) (レス) id: 26f7e5e552 (このIDを非表示/違反報告)
あびこ - すっごい泣いてしまいました。私、感動的な話は大好きです。これからもがんばってください。 (2017年3月21日 22時) (レス) id: 6a901cb49c (このIDを非表示/違反報告)
明夢 - 泣けますねー (2017年2月13日 8時) (レス) id: b96a7a91d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:舞希 | 作成日時:2016年4月1日 13時