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志麻side
今日は彼女のAが家に来ている。
多分少し勉強して夕飯を食べて帰るのだろう。
トレイに紅茶の入ったグラスを乗せ階段を上がる。
部屋に入るとローテーブルのすぐ側にはつい数分前までAが肩にかけていたリュック。
等の本人は上半身だけベッドに乗せて顔を伏せていた。
「Aさーん…起きとるー…?」
机にトレイを置き声をかけながら近づくが反応もなく、すぅすぅと寝息を立てて眠ってしまっていた。
棚からブランケットを取り出しAにかけて俺は隣に腰を下ろし目を閉じた。
・
どれくらい時間が経っただろう。目をうっすらと開けると隣にいたはずのAが居らず
一気に目が覚める。
下に目をやると床で横になって唸っているAが目に入った。
「A?大丈夫?A?」
『…っあ、志麻く、ぅ、』
声をかけると苦しそうに腹をぎゅうと抱えながら涙を目に溜めて見つめてきた。
『しまく、くす、り、、くすり、』
「…薬?」
『…バッグのなか、に、あるから、』
彼女に言われた通りバッグを開けると開けっ放しのポーチの中に薬が無造作に散らばっていた。
階段を駆け下り水のペットボトルを手にして部屋に戻る。
薬とペットボトルをAに渡し、薬を飲ませた。
少ししてAが身体を起こしまた寝る前の体制に戻った。
「…もう、大丈夫?」
『うん、ごめんね、迷惑かけて』
大丈夫な割には元気がない。
痛い、という風にお腹をさするAを見ているだけというのはできなかった。
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shiori(プロフ) - リクエストでurtさんが女の子の日を看病するお話読みたいです!お願いします! (2021年1月1日 17時) (レス) id: a2f685055b (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - 舞花さん» ありがとうございます(;;) (2020年8月6日 23時) (レス) id: 30076484ac (このIDを非表示/違反報告)
izmin0215(プロフ) - 舞花さん» いえいえ!ありがとうございます! (2020年8月5日 7時) (レス) id: e7b9ca147f (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - Naoさん» 喜んで頂けたようでなによりです(;;)またいつでもリクエストお待ちしております、ありがとうございました! (2020年8月5日 1時) (レス) id: b66637afee (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - まみさん» リクエスト承りました◎書いたことの無い系統なのでご希望に沿ったものが作成できるか不安なのですが頑張りますね!励みになりますありがとうございます(;;) (2020年8月5日 1時) (レス) id: b66637afee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞花 | 作成日時:2020年7月26日 20時