甘くて甘い、【歌い手】【短編集】

配信【amtk】 ページ8

「あまつきしかぁ〜かたん！！」


端末から聞こえてくる楽しそうな声。


今日はお酒も飲みながら配信しているみたいでいつもよりテンションが高い気がする。


食器を片付けていても自然と口角が上がってくるのが自分でもわかった。


･


「ただいまぁ」

『おつかれさま、天月くん』


防音室から出てきた彼の顔はエアコンがついていたにも関わらず赤く火照っていていつものトークや歌からは考えられないくらいに舌っ足らずだった。


『もう寝る？お水飲む？』

「のまなぁい。このままねる、、、」

『ここじゃ冷えちゃうよ。寝室行こ？』

「うん…」


･


『…お疲れ様、おやすみ』


彼がベッドに入りすぅ、と静かに寝息を立て始めたのを確認して部屋を後にする。


かちゃ、と小さく音を立てて防音室に入るとお酒の缶とカップはそのまま。


すべて片付けて同じベッドに入る頃には彼の体温で布団はポカポカと温まっていた。


幸せを肌で感じることができる大切な時間。


fin.

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