5 夢であれ ページ7
静まり返った夜。
風すらも眠りについている人を気遣うように音も鳴らさず桜を散らす。
『………っ、ぁああ゛！！
い、痛い！いたい、いたい！！』
私は背中から突如激痛を感じ目覚めた。
ゆっくり、ゆっくりと殻を破るかのように何かが背中の皮膚を破りながらでてくるような。経験したこともないような痛みだ。
＿＿＿＿ﾊﾞｻｯ
その時、大きなコウモリのような翼をもった何かが１人の少年をかかえ私の部屋の窓をよこぎり、夜空に消えていったことなど私は痛みに襲われていて気付く余裕もなかった。
『…はぁはぁ、ぁ、はぁ』
私はいったいどのくらい痛みに耐えていたのだろう。
数時間たっているだろうか、それとも数秒だったのだろうか。
やっと痛みが落ち着いてきた頃、痛みと引き換えに普段は感じることのない重みが背中に張り付いていた。
私は恐怖より好奇心が勝ち、ゆっくりと震える手で背中の重みに手を伸ばした。
『…ぇ、』
背中の重みなど勘違いであればよかったのに、痛みで覚醒した私の頭は"それ"を理解しようと恐怖を押さえ、"それ"を触る手を引っ込めようとしなかった。
確かに私の手は今、背中の重みに触れている。そして、私の背中の"それ"から"触られている"という感覚が伝わってくる。
私は必死に"それ"の正体を確認しようと、肩越しに振り返りカーテンから漏れているかすかな月明かりを頼りに目をこらした。
しかし、大きな"それ"は私の目では全体を見ることは出来ず、わからなかった。
私は部屋を見渡した。
何か、方法があるはず。鏡、そうだ鏡だ！
私は鏡が視界に入るなりベッドから勢いよく立ち上がった。
つもりだったが、今私の背中には重い"それ"がありバランスが上手くとれずベッドから転がり落ちてしまった。
痛いが、混乱し、落ち着きがない今の私はその衝撃で少し冷静になれた気がする。
今度は、転ばないように焦る気持ちを押さえゆっくりと鏡に向かって歩いた。
私はバランスを崩しながらも転ばずに鏡の前までたどり着いた。
私は鏡に写っているだろう"それ"をまだ見ないようにまぶたを閉じてから、顔を上げた。
そして、一つ深呼吸してからゆっくりとまぶたを開け"それ"を見た。
『っ_』
言葉がでてこない。
もしかして、まだ私はまだ寝ぼけているのか。
それとも、おかしくでもなってしまったのか。
目の前の鏡には、コウモリのような大きなの翼が背中から左右あわせて６翼、３つ対になって伸びている私が写っていた。
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彩豊(プロフ) - こんにちは！凄くおもしろかったです！これからどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):作者様の無理のないよう、更新頑張ってください！応援してます☆彡 (2022年10月22日 23時) (
レス) id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
まこと(プロフ) - ルーさん» そう言ってもらえて嬉しいです〜！ほんとにすごく嬉しい…！ルーさん、ありがとうございます (2022年7月17日 0時) (レス) @page47 id: c5c0361c7b (このIDを非表示/違反報告)
ルー - はゎゎ〜✨めっちゃくちゃこういう感じのお話大好きです！これからも頑張ってください！(*´ω｀*) (2022年7月10日 10時) (レス) @page46 id: 58cb53495b (このIDを非表示/違反報告)
まこと(プロフ) - ほしぽんさん» 了解！がんばるね！応援しててください (2022年7月5日 22時) (レス) id: c5c0361c7b (このIDを非表示/違反報告)
ほしぽん(プロフ) - 更新待ってます！！ (2022年7月5日 19時) (レス) id: 86c5fe95fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まこと | 作成日時：2022年4月25日 6時
