16 いってきます ページ18
＿＿＿＿ふふっ、そんなの知ってたわよ」
…え、
おばあちゃんはそう言っていたずらな笑みをうかべていた。私はもしかしてと思い、おじいちゃんに視線を移した。おじいちゃんは笑いを我慢しているのかぷるぷる震えていて、私は唖然とした。
祖父「あなたちゃん、ごめんね。お母さんのことは全部、お母さんがお父さんと結婚の挨拶に来たときに話してくれてたんだよ。」
『っ、はぁぁ』
私は緊張してたのが、馬鹿らしく思えてきて、一気に力が抜けた。びっくりしすぎて少し笑えてきさえする。
祖父「…それから、魔界に行くのも応援するよ。会えなくなるのは悲しいけど、私たちの分もお母さんが産まれ育った世界を見てきてほしい。いつか、見れたらと思っていたんだ。」
視界が歪み、おじいちゃんたちの顔が見れない。
『っありがとう、行ってくるね、…お母さんの故郷を見てくるよ』
今まで静かに見守ってくれていたサリバンさんが口を開いた。
サリバン「…お孫さんは私が責任もって預からせていただきます。」
祖父「えぇ。どうか、よろしくお願いします。」
そう言って、おじいちゃんとおばあちゃんは深く、深く頭を下げた。
そのあと、２人とも涙を流して私を力強く抱き締めてくれた。「愛してるよ」「私たちの自慢の孫よ」「気を付けてね」とたくさん言ってくれた。
＿＿＿＿
面会時間を知らせにきた施設の人に会釈をして、私とサリバンさんは2人のいる部屋のドアノブに手を付けた。
「行ってらっしゃい」
『＿＿＿＿っ、いってきます。』
＿＿＿＿
すっかり冷えた夜の風が濡れた頬をかすめる。昼間は遠くに見えた鳥も、揺れていた木々も今はおとなしい。
サリバン「落ち着いた？」
『はい、もう大丈夫です。』
私は来た時と同じようにサリバンさんと並んで静まり返った夜空を飛んでいた。
サリバン「そっか、じゃあ家に着いたら、魔界に持って行く荷物をまとめておいてね。明日の夜に出発しよう。」
そうサリバンさんと約束して私は窓から部屋に戻った。
どれを着るか朝に悩み、ベッドに広げられていた数着の服を大きいバックに詰め込むことから荷造りを始めた。それから、カメラ、下着、一枚の家族写真などを詰め込んだ。
ふと私はクローゼットの上に置いてある大きめの古い箱を思い出した。箱は色あせ、角は丸くなってしまっている。
これは、母が私のいつかの誕生日にくれたものだ。はたして中身は何だっただろうか。気になって箱をクローゼットから下ろした
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彩豊(プロフ) - こんにちは！凄くおもしろかったです！これからどんな展開になるか気になります_:(´ཀ`」 ∠):作者様の無理のないよう、更新頑張ってください！応援してます☆彡 (2022年10月22日 23時) (
レス) id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
まこと(プロフ) - ルーさん» そう言ってもらえて嬉しいです〜！ほんとにすごく嬉しい…！ルーさん、ありがとうございます (2022年7月17日 0時) (レス) @page47 id: c5c0361c7b (このIDを非表示/違反報告)
ルー - はゎゎ〜✨めっちゃくちゃこういう感じのお話大好きです！これからも頑張ってください！(*´ω｀*) (2022年7月10日 10時) (レス) @page46 id: 58cb53495b (このIDを非表示/違反報告)
まこと(プロフ) - ほしぽんさん» 了解！がんばるね！応援しててください (2022年7月5日 22時) (レス) id: c5c0361c7b (このIDを非表示/違反報告)
ほしぽん(プロフ) - 更新待ってます！！ (2022年7月5日 19時) (レス) id: 86c5fe95fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まこと | 作成日時：2022年4月25日 6時
