46＊矛盾が浮かぶ場所 ページ46
「先生、連絡カードください」
「花鈴のか？」
「はい。明日からテストだし」
「そっか、頼もうと思ってたんだ。来れるかは分からないけど、よろしく頼む」
もう一度頷いて自分の席に戻る。
帰りのホームルームが終わった教室。
荷物をまとめた子たちが次々に手を振って出て行く。
人が減るごとに喧騒から遠ざかる、そんな気がしていた。
反比例するように静けさが近づいてくる。
明日は、一時間目が数学のテスト。
要るものは定規……あとワークも提出、と。
コンパスとか分度器は必要なし。
二時間目は国語、こっちはワーク提出済みだから──
あ、でも花鈴ちゃんは持ってきてもらわないといけないか。
テストが終わるまでは部活が無いからゆっくり書ける。
一週間に一度のお届け物。
時間割、持ち物、今日勉強したこと、メッセージ。
A4のプリントに書き込んでいく。
「A、まだ帰らないの？」
今日は遠慮無く隣に腰掛ける璃愛。
手元のプリントを覗き込む。
「ああ、花鈴ちゃんのかー。私も書くよ」
「ありがと。メッセージのとこ半分お願い」
「了解」
連絡カードを書いていたら、時々他の子も加勢してくれることがある。
ま、時々だけどね。
今日も例外ではなくて、連絡カードは色鮮やかに彩られた。
花鈴ちゃん、喜んでくれるかな。
「千尋ちゃんも
「いいえー、なんかごちゃごちゃしちゃったけど」
「ううん、大丈夫。いっつも白黒で地味だから嬉しい」
ひらひらっと連絡カードを振る。
手伝ってくれた璃愛、千尋ちゃん、愛菜ちゃんは嬉しそうに笑ってくれた。
「Aちゃん、璃愛ちゃん、じゃあね」
「そうだ、私も今日塾早いからもう行くね」
「うん、ばいばい。テストがんばろ」
「あはは、善処するよ」
「私も」
リュックを背負って手を振る璃愛。私も振り返す。
部活が無いから夕暮れはまだまだ。
でも日が沈むときの物悲しさみたいなものと、今の時間は似ている気がする。
昼間の煩い時間が好きじゃないくせに、ちょっとした矛盾。
私が我が侭だからかな。
それか、教室ってそういう場所だからなのかも。
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しろひつじ(プロフ) - みまりさん» ありがとうございます!!何回も読んでいただけるなんて本当に嬉しいです。テンション上がりますか、すごい……！ (2015年2月13日 21時) (
レス) id: 6b5ba321da (このIDを非表示/違反報告)
みまり - ちょー面白くて何回も読み直しています! これ読むとテンションアゲポヨになります! (2015年2月13日 20時) (レス) id: 7a2b267fa6 (このIDを非表示/違反報告)
しろひつじ(プロフ) - みーゆさん» みーちゃん！嬉しい!!!自分のこととかも考えながら書いてますー。ありがとう、頑張る！ (2015年2月10日 14時) (レス) id: 6b5ba321da (このIDを非表示/違反報告)
みーゆ - すごいねー！つい読みふけっちゃったよー(￣∇￣;)白ちゃんの実生活とかが混ざっててちょーおもしろかった！愛読者になっちゃいます笑笑 更新楽しみにしてるね！教えてくれてありがとうっ(*^_^*) (2015年2月10日 14時) (レス) id: 06beca72c0 (このIDを非表示/違反報告)
しろひつじ(プロフ) - りるぽんず*さん» りーちゃん！！！ありがとう！！！コメントまでしてくれて本当に嬉しい！まだまだ模索中ではあるけど、妥協せずに頑張ります。りーちゃんの更新ラッシュを見習ってかきかきするね！ (2015年1月20日 17時) (レス) id: 6b5ba321da (このIDを非表示/違反報告)
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