32*小さな快挙 ページ32
「ノート、なんかあった?」
いつの間にか席に戻ってきていた宮崎に、そう訊かれた。
「ううん。暇だったからなんとなく」
「あー……この時間なんか微妙だよな」
「だよね」
同意して、シャーペンをくるりと回す。
つい最近ペン回しが出来るようになった。小さな快挙。
「俺それ出来ないんだよな」
自慢しようとした訳じゃないんだけど、彼の声はほんの少し悔しそうだった。
もしかして、意外と負けず嫌いだったりするのかな。
上手く回らないペンを筆箱に投げ入れる様がいつもより幼い。
もーちょっと器用だったらな、という呟きに、私ももう少し器用になりたい、と返した。
「Aってさ、ちょっとだけリスに似てない?」
「ああ、分かる」
「え、どっからリスさん来た?」
璃愛が指差したのは、私の下敷き。
確かに右下にリスとクローバーが描かれている。ここからやってきたのか。
「リスかあ。例えばどんなとこ?」
「えーっとね、ツインテがふわふわでリスの尻尾みたいなとことか」
「あと、
「言われてみれば……そうかも」
似ていなくもない、かも知れない。
沙穂と璃愛に口々に言われて、そう思った。
今、璃愛と沙穂と市立図書館に来ている。
最初は璃愛の家に集合する予定だったのだが、お姉さんの
藍奈ちゃん、大丈夫かな。インフルエンザじゃないといいけど……。
璃愛によると熱はそれほど高くないものの、頭が痛いらしい。
お大事に、と璃愛に伝えてもらうよう言ってある。
璃愛の家に行けなかったのは残念だけど、図書館は好きだ。
本が好きだから、同じ感覚で図書館も好き。
漂う空気も、なんだか落ち着くような気がする。
苦手な人もいるだろうけど、私にとって図書館の静さは心地良い。
こうやって小声で話しながら過ごすのも楽しいけどね。
4人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しろひつじ(プロフ) - みまりさん» ありがとうございます!!何回も読んでいただけるなんて本当に嬉しいです。テンション上がりますか、すごい……! (2015年2月13日 21時) (レス) id: 6b5ba321da (このIDを非表示/違反報告)
みまり - ちょー面白くて何回も読み直しています! これ読むとテンションアゲポヨになります! (2015年2月13日 20時) (レス) id: 7a2b267fa6 (このIDを非表示/違反報告)
しろひつじ(プロフ) - みーゆさん» みーちゃん!嬉しい!!!自分のこととかも考えながら書いてますー。ありがとう、頑張る! (2015年2月10日 14時) (レス) id: 6b5ba321da (このIDを非表示/違反報告)
みーゆ - すごいねー!つい読みふけっちゃったよー( ̄∇ ̄;)白ちゃんの実生活とかが混ざっててちょーおもしろかった!愛読者になっちゃいます笑笑 更新楽しみにしてるね!教えてくれてありがとうっ(*^_^*) (2015年2月10日 14時) (レス) id: 06beca72c0 (このIDを非表示/違反報告)
しろひつじ(プロフ) - りるぽんず*さん» りーちゃん!!!ありがとう!!!コメントまでしてくれて本当に嬉しい!まだまだ模索中ではあるけど、妥協せずに頑張ります。りーちゃんの更新ラッシュを見習ってかきかきするね! (2015年1月20日 17時) (レス) id: 6b5ba321da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ