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「そ、そ…それは…!」

聞いたことのある台詞だ。確か、私達がまた仲良くなった理由であるあの作家の本のひとつ。

問題なのは、決して不健全ではないのだけれど内容の糖度が高く三角関係で、恋愛増し増し。これを親の前で堂々と見るのは恥ずかしくこっそり見ていた。

そんな糖度の高い作品を透はここで真面目な顔して読んでいたと思うとここ最近で最高に意外すぎる。


「どこ!?」

私は赤くなった顔をあまり見せたくなくて、背を向け四つん這いで下から本棚のタイトルを指で追う。

「借りたものだったからここにはないぞ」

(誰に…!?)


人は見かけによらない。どう考えたって、たまたま選んだらそれだった。ならいいが、これを読みたいと思わなければピンポイントに借りれない。

聞いた私の方が羞恥に悶えていると

「試しに様子を見たらどうだ。」

「えっ?」

「もしかしたら好きになるかもしれないぞ。」

透がやめておけって言ったら断ろうと思っていた。だがまさかの肯定的なところに驚く。


「曖昧な立ち位置にいれば断りやすいだろうし」

「なるほど…?」

「すぐに断れる性格じゃないだろ。」

「よくお分かりで」


断ったからって嫌われることはない。でも、一瞬否定的な目が自分に向けられるのが嫌なのだ。

だから私は透に相談する。何を言ってもその視線が私を拒絶することは無い。そう思うくらい表情の変化が乏しい。


「本を読んでもそれは作家の想像したものだ。橘は頭いいし知識だけなら俺よりもあるけど、経験がなさすぎる。
まぁ、断る時はついてってやるから。」

じーんと感動する。その時が来たら今以上に頼れる存在となることだろう。

「…ありがとう!やっぱり持つべきは幼馴染だね」
「幼馴染、なぁ。」

「うん?」

一瞬、表情が僅かに揺らいだ気がした。


「なんでもない。
お茶冷めた。温め直してくるけど」


気のせいかもしれない。
私は「冷たくていいよ」と言うと透は自分のカップだけ持って下の階に移動する。

それから一時間くらい滞在したあと帰った。制服を部屋着に着替えるとベッドに潜る。


「姉さん」

ガチャッと音がしてベッドから動揺し大声を出して飛び上がる。それに弟の璃空がまた驚いた。

「わぁぁぁ!?」
「うわぁ!!」

手元には一冊のカバーのついた本があり、それを隠すように枕の下に滑り込ませた。

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nekotan2069puri(プロフ) - Part2ってありますか? (2021年1月31日 5時) (レス) id: 6b085184bf (このIDを非表示/違反報告)
豆腐ノ木(プロフ) - いやぁわざわざ待っててくれてありがとうございます!データは大事にします (2016年8月24日 22時) (レス) id: 2326a3abe8 (このIDを非表示/違反報告)
hikarika(プロフ) - 復活おめでとうございます!更新待ってますね! (2016年8月24日 21時) (レス) id: 8c72317fb5 (このIDを非表示/違反報告)
風間あかり(プロフ) - 風間さん……一体何人で飲みにいったの………? (2016年5月11日 13時) (レス) id: e3aa90e3eb (このIDを非表示/違反報告)
風間あかり(プロフ) - 豆腐ノ木さん» お疲れさま (2016年3月28日 17時) (レス) id: 55a9b6e827 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆腐ノ木 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年3月24日 2時

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