猫かぶりの裏の顔2【奈良坂透】

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さすがにすぐには5本連続では入らなかったが、２回目の挑戦で難題はあっさり達成された。

｢千葉、もういいだろ。サインかけ｣

｢急かすなって〜。
ほい、おめでとうぴかぴかの一等賞｣

｢ん｣

最後の欄に千葉のサインが追加される。これで全ての問題がクリアされた。

｢まって｣

周りはおめでとう！といった祝福の雰囲気を出している。

｢どうかした？｣

キョトンとした顔で千葉は首を傾げた。

｢これ、もとは私の…｣
｢でもここに河北結城ってデカデカと男の字で…｣

チラッと河北の方を見る。そっぽを向いて耳の縁をかいている。

｢まぁ、そういうわけだから。おめでとうございます〜｣

河北に一枚の妙に凝ったチケットが手渡される。
いつもと変わらない表情でどーも、とだけ言って受け取った。


｢あぁ、Aちゃんここで待ってて。こいつと少し話してくる｣

｢うわっ！やーめーろー！感謝はされてもこの扱いはないだろ！｣

ガシッと再び千葉を脇に担ぎ出入口から出ていってしまった。

｢…飲み物いる？｣

置いてかれた瀬名が私に小さめのミネラルウォーターを手渡す。

｢…いる｣

それを受け取り口に含む。常温で温い。

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