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Aが機嫌よく宇佐美と共にレイジさんの調理風景を見ている間
「迅のサイドエフェクトに引っかかる何かがまだあるのかもしれないな」
「何か感じるの?」
クローニンの言葉にゆりが面白そうに反応する。
「あれはネイバーフッドのどっかの国の貴族的な位置にいる家の出身だろう。教育がしっかりとされている。玄界を知っているということは軍事国家かもしれないが」
「そこまで分かるの?」
「なんとなくで分かる。大事に育てられたんだろうな。」
病弱な手は細すぎる気がするが苦労をしてこなったのか綺麗だ。何をするにも興味津々な猫のように周りをキョロキョロ見回して俺たちの行動にヒビりつつも、それを少し楽しそうにしている。
「大体は無意識に他人を警戒するもんだ。こんなよくわからん場所に無防備で寝泊まりしないくらいにはな」
「そうかな、まだ子供だよ?」
頷きながらにも疑問に思ったことをゆりが質問する
「本当に困ってたならどんな状況でも手を伸ばしたんじゃない?」
むしろ子供だからこそその場で動くことを躊躇う。だがそうじゃない。
「いや、あれは生きることを一番に置いているやつの行動だ。」
「??」
クローニンの言葉にとうとう分からなくなってきた。という顔だ
うんうんと悩んでいる。それを俺が説明した。
「生きるため、どんなやつに付いていけば。それを見分けている。簡単そうに見えて結構人を見る目っていうのは簡単には養わない。
常に戦いに囲まれているような弱い国ではなく、戦争をしている軍事国家でありながら国の中は比較的安全な強い国で育った貴族の子供。かつ、自分が狙われる可能性があると幼い頃から自覚させられていないとあぁはならないだろう。」
過去に、救援に行った国は今にも負けそうでやっとの事で追い返すことが出来た。しかしこちらの負傷を考えれば負けたようなもので、大人だけでなく子供も武器を取り戦った。ギラギラとした目で敵から守るために。
「うーん。まぁ、なんとなくわかったかも。」
「ほんとかぁ?」
「ほんとほんと」
ちゃんと意識して見ないと分からない。その場所に馴染む。そして素直に必要な要素を吸収しようとしている。
ただ、帰ってこい。とは言われてこなかったんだろう。そう思うと少し可哀想だ
しかし、そう同情するよりはそれを手助けする方がいい。師弟関係はよりこの環境に馴染むいい橋掛けとなるだろう。
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豆腐ノ木(プロフ) - ゆきむらさん» 4週…!?まじか嬉しすぎて頭おかしくなりそう…!!コメントありがとうございます!! (2021年3月29日 23時) (レス) id: bba6fd72fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきむら(プロフ) - ふぇ!!?!更新?!!(*´`*)ドキドキ。この作品好きすぎてもう、4週くらいしてます…続きが読める日を楽しみにしてます!!! (2021年3月25日 16時) (レス) id: 7eb94c6b54 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐ノ木(プロフ) - あいさん» もちろんです。言わばこれほぼ序章で、いずれ原作に続く予定です。じゃないと全くもってストーリー書ける気がしないので!応援ありがとうございます! (2018年11月25日 17時) (レス) id: 696f41baff (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - そういえばなんですがこのお話は原作沿いまで続くのでしょうか?私的には続いてくれると嬉しいです!これからも更新頑張ってください! (2018年11月25日 17時) (レス) id: a2c75168cb (このIDを非表示/違反報告)
豆腐ノ木(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです!誤字脱字沢山あって読みにくいか心配ですが、ご期待に添えるよう頑張ります! (2018年11月5日 18時) (レス) id: 696f41baff (このIDを非表示/違反報告)
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