未来を変えるための【烏丸京介】

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「昼食が出来ました！ちょっと早いですが...」

「わぁ美味しそう！皆で食べるご飯ほんと久しぶり」


レイジがたどたどしくエプロンを付けながら言うとゆりは褒める。この帰ってきた二人がいると光景は定番だ。新入りはレイジの姿を見ると新鮮な反応をするので面白い。

話がスっと切り替わり、先程とは少し違う和やかな雰囲気になった。


「で、あの烏丸はいないのか」


クローニン達には言っていなかった。誕生日くらい良いもん食えと渡した秘蔵の商品券をあげると送られたチラシを漁る。

それを宇佐美も見ていたのか思い出し笑いをしながら言う


「家族の誕生日。ケーキ何にしようかチラシ見ながら迷ってたんだよ」


烏丸家は厳しい。あいつのボーダーでの給料では足りずバイトまで掛け持ち。売上は伸びるが成長期にちゃんと食べてるのか心配になる。


「そっかー、明日は来れるの？」

「多分来れると思います」


残念そうなゆりに対しレイジは少し焦った


「その、ゆりさんはそんなに楽しみですか？」

「ん？それは勿論

でも今はこの和食で満たされてるから」

「ゆりさん...！」


レイジの扱いが上手い

そういえば、さっきからずっと喋ってない奴がいる

何やら小皿と睨めっこをしていた。


「A、何やってんだ？」

「支部長...これは、塗料にでも突っ込んだんですか...？」


なんのことだ。と思えば。面白いコメントに笑いが起きる。


「それは漬物。

これがたくあん、こっちがしば漬け、大根にきゅうり。どれも水性塗料なんて入ってねぇから安心しろ。米と食べると美味くていいぞ」


そう言ってまず自分が食べた。シャキシャキとした塩分のしょっぱさが美味い。

どうやら食に関して利害は見分けられないようだ。こればっかりは食べるしかない。

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