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朝起きると皆にこやかだった。なぜか温かい目で見られる。冷たい目ではないのでいいのだが違和感がありへっぴり腰でソファーに座る。
「おはようAちゃん」
「ゆりさん、おはようございます」
学生組は皆学校へ。いつもの様に成人組と朝を迎える。ゆりさんが隣に座ってテレビの電源をつけると三門市のニュースが流れていく。
時間は約9時で用意されていた朝ごはんを食べる。目玉焼きを乗っけたトーストの絶妙なバランスが今日も美味しい。
やはりニコニコとしながら私を見て来るゆりさんが気になり聞いてみた。
「ふふ、だって京介くんって可愛いんだもの。初めて今日会ったけど、真面目そうでいい子なのは分かったわ」
可愛い...?いまいちよく分からないが。そう言えばゆりさんたちはまだ京介に会っていなかったっけ。
「京介くんね、あなたの様子を見に来るだけでここに来たの」
「な、なんで?なんの為に?」
「監視役だからって。満足気に登校してったわ」
そういえばそんな役職を与えられていたっけ。完全に忘れかけていた。どうにも監視という感覚がないためか、ただの同じ家に住む先住人といったものにしか思えない。
「若いなぁ〜」
「ゆりさんも若いですよ」
「違う違う、10代じゃないと出来ないものもあるの。20になったら一気に懐かしくなってくるのよ」
若い、と言われて嬉しそうだけど。20代か、全く想像出来ない。そもそも生きていられるのかどうかも分からなかったわけだから、こんな風に自分の気分で起きたい時に起きてゆったり朝ごはん食べてるのもいつか懐かしく思う日が来るのだろうか。
「ゆりさんは若いです!そ、その...とても綺麗だと思います...!」
「あらあら、ふふ、ありがとうレイジくん」
あれは私でも分かる露骨っぷり。そう、いつしか親があんな風に惚気けていた時があった。
それをあぁ、またかと兄二人と眺めていたのを覚えている。
「A、食べたか。」
向こうの機械がある部屋からクローニンさんが顔を出す。
「むっ...
食べまひは...!」
急いで残りのパンを口に詰め込んだ。ソファーを立った。
「そんなに急ぐほどのことじゃないんだが」
パンを飲み込む。
「いえ、師の言葉にはより早めに回答した方がいいかと思って」
今度の口はちゃんと喋った。
「そんな固く捉えていたのか?師匠なんて形だけだぞ、ここじゃもっとゆるっとしてていいんだけどな」
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豆腐ノ木(プロフ) - ゆきむらさん» 4週…!?まじか嬉しすぎて頭おかしくなりそう…!!コメントありがとうございます!! (2021年3月29日 23時) (レス) id: bba6fd72fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきむら(プロフ) - ふぇ!!?!更新?!!(*´`*)ドキドキ。この作品好きすぎてもう、4週くらいしてます…続きが読める日を楽しみにしてます!!! (2021年3月25日 16時) (レス) id: 7eb94c6b54 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐ノ木(プロフ) - あいさん» もちろんです。言わばこれほぼ序章で、いずれ原作に続く予定です。じゃないと全くもってストーリー書ける気がしないので!応援ありがとうございます! (2018年11月25日 17時) (レス) id: 696f41baff (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - そういえばなんですがこのお話は原作沿いまで続くのでしょうか?私的には続いてくれると嬉しいです!これからも更新頑張ってください! (2018年11月25日 17時) (レス) id: a2c75168cb (このIDを非表示/違反報告)
豆腐ノ木(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです!誤字脱字沢山あって読みにくいか心配ですが、ご期待に添えるよう頑張ります! (2018年11月5日 18時) (レス) id: 696f41baff (このIDを非表示/違反報告)
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