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少し賑わいを見せる駅のホーム
電子版に表示された時間は今から約5分後
ブレザーのポケットに両手を入れて
暇を潰すようにかかとを上げ下げする
『委員長って最寄りどこ?』
「〇〇駅だよ」
『あー、んじゃ俺より1個先か』
『数学赤点とりそう』
「授業中寝てるからでしょ?」
『寝てない。目を瞑ってるだけ』
「それを寝てるって言うんじゃないの…」
少し会話を挟んではまた沈黙の繰り返し
けれどその空間は居心地が悪く
気まずいものではなくて
どちらかと言うと心地が良い
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電車の中はやっぱりスカスカで
平野くんと隣同士ぴったりとくっついて座った
私が先に座って
寄り添うようにして座ったのは平野くんの方
てっきり1席分空けて座ると思ってたから
内心すごいびっくりした
『あのさ』
「ん?」
私達以外誰もいない車内に2つの声が響く
『なんで今日…』
「…」
『ごめん。やっぱりなんでもない』
そう言ってスマートフォンを弄り出した彼を
しばらくずっと見つめていたけれど
1回こっちを見た後ぷいっと目を逸らされた
平野くんが何を言いかけたのか
彼が何を聞きたかったのか
私は分かったけれどそれには触れないでおいた
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私より先に平野くんが降りる
『送っていかなくていいの?』
「いいよ全然大丈夫だから」
『そっか。じゃ、また明日』
ドアが開き、車内に入り込んでくる冷気
ヒラヒラと大きな手を振りながら
彼は薄暗いホームの中に消えていった
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むーちょ(プロフ) - ななみさん» そのようなお言葉を頂けてとても嬉しく思います。後悔の無いよう自分の持てる限りの力を発揮し、来月には笑顔でここに戻って来れられるように頑張りたいと思います…!少しお時間を頂く形とはなってしまいますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです(^^) (2020年1月14日 1時) (レス) id: f803838bc4 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - むーちょさん、素敵な作品を読ませていただいてありがとうございます。受験生なんですね。お勉強大変でしょうが、春には希望の場所で新しいスタートが迎えられますように。体調を整えて力が発揮できますように…祈っております。 (2020年1月14日 0時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むーちょ | 作成日時:2019年11月15日 22時