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「ただいまー!!」
玄関から海斗の元気な声が聞こえた。
お母さーん!と言いながら廊下を走ってくる音がしたので、リビングから廊下へ抜ける扉を開くと、信じられない光景が目に飛び込んできた。
玄関にいたのは太輔と、宏光。
「みつ連れてきたよ!」
「ど、どうして?」
「一緒にご飯食べよう!お父さんもいいよって!」
頭をさげて突然すみませんと謝る宏光。
すました顔の太輔を睨んだ。
一体何考えてるのよ。
ご飯の準備をしながら、時折リビングを見ると海斗と宏光がキャッキャッとじゃれ合いながら騒いでる。
ああ、なんだろう、目が潤んでくるよ。
私が望んだもう一つの未来が目の前にあるようで。
「早くしないと遅くなっちゃうよ」
そんな太輔の言葉に我にかえり、慌てて手を動かした。
「良かったね」
「…どういうつもり?」
「別に?」
太輔に腹を立てつつも、再び宏光にご飯を作れる事を思うと嬉しかった。
「いただきまーす!」
口いっぱいに食べ物を頬張る海斗と宏光。
二人でリスみたい。
なんだかんだで平和に終わった夕食。
その後もまだ遊んでいた海斗と宏光。
そろそろお風呂に入らないと、と促すと、
「じゃあ俺そろそろ…」
と帰ろうとする宏光を太輔が止めた。
「まだいいでしょ。話したい事もあるし」
またその笑顔でそんな事言うのね。
「…じゃあ後片付け手伝いますね」
もう嫌な予感しかしない。
こうならないように私はあの時宏光を手放したのに。
無言で洗い物をする私達。
何を話せばいいのかもわからないし、もうどうしていいかわかんない。
そう思ってるとお皿を洗う私の手をぎゅっと握ってきた宏光。
ゆっくりと宏光の方へ視線を向けると、宏光も私を見つめていた。
お互い目が合うと自然と唇が近づいてゆく。
一度、戸惑うように止まった宏光だったけど、またその距離を縮め、優しくその唇が重なった。
重なるだけだったキスは徐々に深くなっていった。
何度も角度を変え、舌を絡ませ。
ダメ…
このままじゃ止まらなくなる。
そう思っていた瞬間に
「あがったよー!」
と海斗の声が聞こえた。
我にかえり、宏光から離れた。
「ご、ごめんなさい」
「謝んなよ…」
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mai☆(プロフ) - mlk31さん» 平和だった数年間だったのに、たいぴの嫉妬再びです( ̄▽ ̄) (2018年7月27日 21時) (レス) id: bb8f1aa1ff (このIDを非表示/違反報告)
mai☆(プロフ) - honyonさん» その歌詞の所とか、ほんといずれ使わせてもらおうと思いましたよ!!発売されて初めて聞いたとき、歌詞を全部読んでほんとにびっくりするくらいでした!! (2018年7月21日 14時) (レス) id: bb8f1aa1ff (このIDを非表示/違反報告)
honyon(プロフ) - !!!とんでもない奇跡ですね。あまりにも合いすぎてて私も鳥肌立ちました!泣似合わないスーツも慣れてきたけれどあの日憧れてた大人にはなれているかな?とかあの時のことを思い浮かべている宏光のセリフすぎてもうとにかくすごいです!文章力なくてすみません! (2018年7月21日 0時) (レス) id: 7839240ad2 (このIDを非表示/違反報告)
mai☆(プロフ) - honyonさん» そんな風に言って頂いてめちゃくちゃ嬉しいです!!そう、そうなんです!BILYを初めて聞いたとき、あまりにも私が思い描いている世界観とピッタリで、鳥肌立ってしまいました。なのでちょっとリンクさせてみました! (2018年7月20日 14時) (レス) id: bb8f1aa1ff (このIDを非表示/違反報告)
mai☆(プロフ) - mlk31さん» 大人になって帰ってきちゃいましたー!本当は登場させるつもりもなく、この辺で終わらせるつもりだったんですけどね。なんとなく藤ヶ谷さんと同じ立場にたたせて勝負させたくなりましたw (2018年7月20日 14時) (レス) id: bb8f1aa1ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mai☆ | 作成日時:2018年6月27日 19時