検索窓
今日:13 hit、昨日:7 hit、合計:260,855 hit

83 北山 side ページ35

.



A…

あの時から何も変わってない。

相変わらず年上と思えない程かわいらしいよ。

あれから何年たったっけ…?





.





Aに置いて行かれたあの日。

目を覚ますとベッドの上で、もちろん部屋の中にAの姿はなかった。

サイドテーブルに目をやると、Aのスマホが置かれていた。

俺と唯一繋がる事が出来るスマホも置いていく程、Aの決意は固いのか。



なんでだよ。



行くなよ、A。




.




週明けを待ってまたマンションへ向かった。

例え扉越しでもいいからAの声を聞くために。

俺 言ったよな。

最後になんかさせないって。




部屋の前に立つと外の南京錠が外されていた。

藤ヶ谷がそう簡単に外すとは思えない。

なんだかすごく嫌な予感がした。

ドアノブをガチャガチャしたって開くわけがない。

ドアをコンコン叩くけど、返事はない。




「そこのお部屋の方、昨日引っ越しましたよ」

と、ちょうど買い物から帰って来たであろう女性が教えてくれた。

「荷物も少なかったから、すぐ終わったみたい」

…よく知ってんな。

「どこに行くとかって…」

「そこまではちょっと」

俺はペコッと会釈してその場を立ち去った。








気が付くと足は横尾さんの店へ向かっていた。

まだオープン前だけど、横尾さんは仕込みをしてるはず。



カランと鳴るドアを開けると、床をモップがけしている玉。

「みつ…」

心配そうな顔をして俺を見る玉。

そしてキッチンから横尾さんが顔を出してきた。

「北山…」

俺は前触れもなくいきなり頭を深く下げて、横尾さんにお願いした。

「お願いします!
Aがどこに行ったか教えて下さい!!」

「…とりあえず座れ」

カウンターの椅子を指差され、大人しく腰掛けた。

84 北山 side→←82



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (411 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1030人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

mai☆(プロフ) - mlk31さん» 平和だった数年間だったのに、たいぴの嫉妬再びです( ̄▽ ̄) (2018年7月27日 21時) (レス) id: bb8f1aa1ff (このIDを非表示/違反報告)
mai☆(プロフ) - honyonさん» その歌詞の所とか、ほんといずれ使わせてもらおうと思いましたよ!!発売されて初めて聞いたとき、歌詞を全部読んでほんとにびっくりするくらいでした!! (2018年7月21日 14時) (レス) id: bb8f1aa1ff (このIDを非表示/違反報告)
honyon(プロフ) - !!!とんでもない奇跡ですね。あまりにも合いすぎてて私も鳥肌立ちました!泣似合わないスーツも慣れてきたけれどあの日憧れてた大人にはなれているかな?とかあの時のことを思い浮かべている宏光のセリフすぎてもうとにかくすごいです!文章力なくてすみません! (2018年7月21日 0時) (レス) id: 7839240ad2 (このIDを非表示/違反報告)
mai☆(プロフ) - honyonさん» そんな風に言って頂いてめちゃくちゃ嬉しいです!!そう、そうなんです!BILYを初めて聞いたとき、あまりにも私が思い描いている世界観とピッタリで、鳥肌立ってしまいました。なのでちょっとリンクさせてみました! (2018年7月20日 14時) (レス) id: bb8f1aa1ff (このIDを非表示/違反報告)
mai☆(プロフ) - mlk31さん» 大人になって帰ってきちゃいましたー!本当は登場させるつもりもなく、この辺で終わらせるつもりだったんですけどね。なんとなく藤ヶ谷さんと同じ立場にたたせて勝負させたくなりましたw (2018年7月20日 14時) (レス) id: bb8f1aa1ff (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:mai☆ | 作成日時:2018年6月27日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。