ハチミツよりも甘い 2

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ベッドでいつものように私を後ろから抱きしめたままの体勢で、太輔に相談してみた。


「太輔…明日1日だけ私を自由にして」


「なんで」


「お願い。スマホもちょうだい」






しばらく太輔は黙ったままだった。



「そのお願い、俺にメリットあるの？」


「……あると思う」


「どんな？」


「………」




答えずにいる私の頬に触れ、自分の方に向かせた。





「どんなメリット？」


久々に見る、その冷たい目。





「……ずっと太輔の側にいる」


反対するつもりだったんだろうけど、私のその言葉を聞いて心が揺らいだのか。




「ちょっと考えさせて」


そう言うと私に背を向けて、おやすみと言った。






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次の日の朝、私が朝食を作っていると、太輔が寝室から出てきて私にスマホを手渡した。




「0時までだから」


「…ありがとう」





そのスマホを受け取り、ぎゅっと握りしめた。





「王子様との時間を楽しんで、シンデレラ」



目を細めて笑いながら、出勤の準備を始めるために部屋に戻った。


宏光、電話に出てくれるかな…







二人で朝食を食べ終え、
太輔を見送るために玄関へ。


外へ出る前に、振り返って私に忠告した。




「今日だけは何をしても目をつぶってやる。
でも帰ってこなかったら、どうなるかわかってるよね」


私は黙って頷いた。


「俺はAは傷付けないよ。
でもあいつはどうなるかわかんないからね」



そう言って扉を閉めた。





太輔なら本当にやりかねないよね。


私が宏光を守らなきゃ。

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