ハチミツよりも甘い 2

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宏光が電話を終えキッチンへ戻り、ごめんねと謝って食事を続けたけど、二人とも無言のまま。


やっぱりちゃんと決めておかないと駄目だ。


いつまでもこの生活は続けられない。





「さっきの電話、玉森くんでしょ？」




そう聞くと宏光の手が止まった。



「なんか私に話してない事…ない？」






宏光の目がとっても悲しそうで、まるで捨てられそうな仔犬みたい。


椅子から立ち上がって宏光のそばに行き、その頭をぎゅっと抱きしめた。


すると私の手に自分の手を添えて話し始めた。






「ここを借りれるの、ほんとは1週間だけって約束だったんだ。
それまでにAとはきちんと別れろって…」





玉森くん、最初から私達の関係には反対してたもんね…





「でもやっぱり俺にはそんな事は出来ないし、Aを守りたい」



「ありがとう…」






こんなに真っ直ぐ素直に私を好きでいてくれる宏光が大好き。


でも好きって気持ちだけじゃ、とうしようもない事もたくさんある。





宏光を抱きしめていた手を緩め、座っている宏光と目線の高さを合わすために、膝をついて話した。


「これからの事、きちんと話し合おう。
ここにいつまでもいるのも玉森くんにも悪いし…」



目を細めて笑顔でうんって言う宏光。





とりあえず私達はここを出る事にした。


実際お金だって必要だから、太輔には内緒にしてる通帳を持ってくるつもりでいた。


その為には一度家に帰らなきゃならないけど…


昼間ならきっと太輔もいないはず。









私達は別荘を一通り片付けた後にタクシーで駅に向かった。


その途中に向かい側から来る見覚えのある車。

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