愛されたいのは 2

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「全然相手の気持ちがないのに、それでも一緒にいる意味ありますか？」

「隣に連れてると見栄えがいいから」

「太輔さんは見世物じゃないんですけど」

「あなたいちいちうるさいわね」


うるさいと思うならもうさっさと帰って欲しい。

私だってヒマじゃないんだし。

チラチラ店内を見ると、徐々にお客さんも増えてきて、北山さんも俊くんもせわしなく動いてる。

北山さんと目が合うと、ジェスチャーで「早く帰らせろ」とか言ってるし。

だって北山さん、この人しつこいんです。








「話しに来て損した。大人しそうな顔して結構攻撃的なのね」


と椅子から立ち上がった。


「あなたは見た目通りですね」

「はぁ？ケンカ売ってんの？」


とカウンターの向こうから肩を突かれた。

その意地悪そうな顔から性格がにじみ出てるから、見た目通りって言っただけだし。


「うちの従業員が申し訳ございません。本日のお代は結構ですから」

「当たり前でしょ！？」


と北山さんが私達の間に割って入った。

どーせならぼったくればいいのに。


「ありがとうございましたー」


美加さんはプリプリ怒って出ていった。


「お前もう少しうまくやんねーと」

「だってあの人ムカつくんですもん」

「ま、俺も苦手なタイプだけどな」

「すみません…コーヒー代」


いいって、いいってーと言いながら、また業務へと戻っていった。








その日の夜、太輔さんから電話があった。

きっと美加さんが私の文句をメールで伝えたのだろう。


「美加、めちゃくちゃ怒ってたよ」


ってあははと笑ってた。


「だって言う事がいちいち腹が立ったんですもん」

「Aちゃんに守られちゃったな、俺」

「やだー、私めっちゃ強い女みたいじゃないですかー」

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