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すると太輔さんは私の手を取り、駅を背にして歩き出した。

いつもはゆっくり歩いてくれるのに、今は少し早歩きだから、私は小走りじゃないとついて行けない。

怒ったかな。

なんて身勝手な女だろうって思ったかな。

今日はもうなんと思われたっていい。







太輔さんはコンビニに立ち寄った。

するとまたいつものように優しく微笑んで、必要なものあるでしょって言って、私にカゴを渡した。

メイク落としや他にもいるものをカゴに入れ終わると、またそのカゴを手に取りレジへと向かい支払おうとしたけど、

それくらいはと思い、自分で会計した。

コンビニを出るとまた私の手を握り、自分の家があるであろう方向へと歩いていった。

その間もやっぱり太輔さんは一言も喋らなくて、一体彼が何を考えてるのかわからなかったけど、

私はもう一緒についていくしかなかった。







千賀さんのバーから歩いて10分くらいの所にあるマンションにつき、太輔さんは鍵を取り出してオートロックのドアを開けた。

太輔さん、ここに住んでるんだ。

エレベーターに乗り8階のボタンを押し、扉を閉めた。

もう後戻りは出来ない。

太輔さんの部屋の前まで来て私の手を離すと、鍵を開けて一度私の方を見た。


「怖い?」

「怖くないです。太輔さんはいつだって優しいから」

「優しくなんかないよ」


そう言って部屋のドアを開けて、どうぞ と言い私を先に入れてくれた。

どうしよう、急に心臓が早鐘を打ち出した。

私なんて事してるんだろう。

扉がガチャンと閉まり、靴を脱ごうとしたら後ろから抱きしめられ、思わず息を飲んでしまう。








そしてゆっくり私の向きを変えて、お互い向かい合うと、太輔さんは両手で私の頬を包み込んだ。

火照った頬に太輔さんの少し冷たい手が心地良いかと思うと、太輔さんの唇が重なった。

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mai☆(プロフ) - アイメイさん» コメントありがとうございます!私もそれちょっと考えたんですよ!最初にまずどちらかのラストを書いて、その後別バージョン書こうかなぁって。まだ決めかねている所ではありますが、皆様にドキドキしてもらえるように頑張ります! (2019年12月30日 10時) (レス) id: bb8f1aa1ff (このIDを非表示/違反報告)
アイメイ(プロフ) - mai☆さん初めまして。いつも作品楽しく読ませていただいてます!まだこのお話のラストを決めかねているようですが、個人的には藤ヶ谷くんとのハッピーエンドが見たいです。でもmai☆さんがもしお手間でなければ、両方のパターン書いてみるというのはいかがですか? (2019年12月30日 1時) (レス) id: 11631fa1b5 (このIDを非表示/違反報告)
mai☆(プロフ) - みちこさん» こんばんは!今回もコメントありがとうございます!なかなか書きたい話が思いつかなくて、随分とお休みしましたが、何か書きたくなって行きあたりばったりで始めてしまいましたw (2019年11月30日 16時) (レス) id: bb8f1aa1ff (このIDを非表示/違反報告)
mai☆(プロフ) - nanacoさん» ひえーー!nanacoさん!nanacoさんにそう言って頂けるなんて(T^T)めちゃくちゃ嬉しいです!プレラブとかニカの短編集も読んでます。特にニカのがすごく好きで!これからも更新楽しみにしてます! (2019年11月30日 16時) (レス) id: bb8f1aa1ff (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - こんばんは(^_^)お久しぶりです(^_^)新作なのですね(^.^)お待ちしておりました(^_^)どんな展開になるのか楽しみにしています! (2019年11月29日 23時) (レス) id: 95022a0a60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mai☆ | 作成日時:2019年11月29日 21時

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