愛されたいのは

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「わざわざ届けて下さってありがとうございます」

「あ、いえ…あの…
またのご来店をお待ちしております」


ペコっと頭を下げてお店に戻る道を走った。

…けど、ペンに名前が書いててよかったぁ。

なんで名前知ってんだってなっちゃうよね。







そして次の日。

珍しくたいすけさんが2日連続でお店に来た。

いつもは数日に1回のペースなのに。

しかももうランチも終わる時間だし、コーヒーだけ飲みに来たのかな。



いつもの席へ案内し、オーダーを取りに行った。

「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか？」

「ホットコーヒーを。
あと、昨日はありがとうございます」

「いえっ、そんなっ」


イケメンのたいすけさんを前にすると
なんだかあわわわってなっちゃう。

コーヒーをカップに注ぎ、再びたいすけさんの元へ。

「お待たせしました」

たいすけさんは私の目を見て、ありがとうって言ってくれる。

本当に丁寧な人だなぁと思った。





少しすると"わたる"さんも来て、二人で楽しそうに喋っていた。

一人の時は少し近寄りがたい雰囲気だけど、"わたる"さんといる時は

ものすごく柔らかくなる。

って私また見すぎ、見すぎ！！

お仕事しなきゃ！





15:00に一度お店を閉めるので、残っているお客さんにお会計を済ませてもらうことにした。

あと2,3組しかいないけど、1つ1つテーブルにその事を伝えて回った。

たいすけさん達のとこにも同じように伝えると、


「ああ、ごめんね、もう出るから」


と言って伝票を持って一緒にレジへ。




コーヒー2杯分のお金をたいすけさんが払い、お釣りを渡しながら、目を見てありがとうございましたと言うと、

たいすけさんがちいさくちょいちょいっと手招きした。

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