愛されたいのは

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「北山さん！」

ってめっちゃ体を揺さぶってみたけど、うるせぇって一言言われてまた目を閉じた。

なんて寝起きが悪くて朝の機嫌が悪い人だろう。

もういい、完全に目が覚めるまで待ってやる。

俊くんが帰るとこまでは記憶があるけど、それ以降からどうなったのかわからない。

無茶して飲んじゃったな…

ちょっと自己嫌悪だったしな…






とりあえずベッドの下に散らばってる服を着て…

ってなんでこんな脱ぎ捨てたような…脱がされたような…

そんな風に考えながらも時々北山さんをドンッて押したり、ベシッて叩いたりしてみた。

頭が少しずつ覚醒してきたのか、時折目を開けてこっちを見たりして…

そしてまた目を閉じたと思ったら、そのままゆっくり起き上がり、かすれた声でおはよ…って言う。

いや、おはよじゃないよ。

しかもまだ目を閉じてて、完全に起きてなくない？






「あの…北山さん…」

「昨日は…」

って言いかけて目をこすってるけど…

続きを早く言って欲しい。

私たちはそういう事をしたんでしょーか。

それとも北山さんも何も覚えてないんでしょーか。

もう自分が脱出できない迷路にいるような、この訳わからない状態から早く抜け出したい。








なのに北山さんから出た言葉は

「お前飲み過ぎ」

「はい？」

いやいや、そうじゃない。

私はこの状況を説明して欲しいんです！

「いや…あの…なぜ私はここにいるのでしょうか…」

「まぁ…そりゃお前…知らない方がいんじゃね？
てか寒くね？エアコンつけてよ」

とりあえず立ち上がって、言われるがままにエアコンのスイッチ入れたけど…

知らない方がいいとか、私は一体何をしでかしてしまったんだろう。

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