愛されたいのは

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朝目が覚めてもなかなか起き上がれずに、ベッドの中でゴロゴロしていた。

原因はわかってる。

昨日の太輔さんとの食事は本当に楽しかった。

彼は常に完璧で…完璧すぎて気後れしてしまう。

私と彼が余りに釣り合わなすぎて、一緒にいるのが申し訳なるくらい。

だから、時々悲しくなっちゃうんだ。





前の会社にいた時も社内ではちょっと有名なイケメン玉森くんに告白されて付き合ったけど、

周りの女の子からは、なんであいつがみたいに言われるし、ちょっとした嫌がらせもされるし。

結局2ヶ月くらいで別れちゃった。

別れたら別れたで、玉森くんをフルなんて生意気とか言われるし。

どうしろって言うんだよって感じで、人間関係もストレスだしそいつらは私にばかり仕事を押し付けてきて
本当に疲れた。

だからもう、同じ会社の人とは付き合うのはやめようって思ったんだ。









お店の準備をしていると、レジ開けの準備をしている北山さんが私の顔を見て言った。


「今日はもっと機嫌いいのかと思った」

「え？」

「デートだったんだろ？昨日」

「ああ…」


太輔さんは同じ会社とかではないけど、やっぱりかっこよくてあんなに完璧で。

周りからしたら、また"なんであんな子が？"って思われるのが嫌で…少し憂鬱になっていた。





そんな話を北山さんにすると、

「……飲み行くか！今日！！」

「え、だってお店…」

「午後は予約入ってないから、今日は休み」

「いいんですか、そんな事して。笑」

「オーナーは俺だ」


って笑いながら言う。

北山さんって笑うと目に笑いじわが出来るんだよね。

その笑いじわを見ると、"あ、笑ってる"って安心する。

いつも頑張りすぎちゃうとこがあるから、時々心配になる。

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