愛されたいのは

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「わざわざ来てくれてありがとう。話せてよかった」

「俺も」


裕太をお店のドアまで見送った。


「んじゃまたね」


って私の頭をポンポンってする。


「…ねぇ、なんでみんな私の頭を触るの？」

「え？そりゃAがチビで、ちょうどいい位置に頭があるからじゃない？」

「チビじゃないし！」


んははー、じゃねーって言いながらお店を出た。

もう、適当なんだから。

あれ、そう言えば俊くんが、帰る時に声かけてって言ってなかったっけ？

ちょっと俊くんに言っておこう。








「俊く…」

とドアをノックしようとすると、中からの会話が聞こえてきた。


「きたやん、出遅れてるって！」

「うるせーなー、なんでお前からアドバイスとか受けなきゃなんないんだよ」

「今日のAちゃんのぽわーっとした感じ、絶対あれからまた何かあってるって」

「俺は俺のやり方でいくの！」

「そんなのんびりしてたら絶対取られるから」


…………なんの話よ。

取られるとかなんとか、私は物か。

なんかムッとしたからノックして返事も待たずに扉を開けた。


「俊くん、裕太帰ったよ！」

「うおっ！いきなりドア開けんな」


って北山さん、ビビりすぎだし。

しかも二人してテレビの前のソファに座って、"今の聞かれた！？"みたいな顔して。


「え、ええっ！？玉帰っちゃったの？」

「あ？客いたの？」

「いや、俺の友達」


俊くんはわかりやすく動揺するし。

その逆で北山さんは平静を装ったような、別に聞かれても構いませんみたいな。


「なんでお前の友達が営業時間外に店にいんだよ」

「まぁ…いろいろあってー」


ってごまかしてたけど、んだよって蹴られてる。

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