#057 MG ページ8
SC「“ジウォン”が来週、こっちに帰ってくるらしい。」
その名前がヒョンの口から発せられた瞬間に重くなった3人の空気。
ヒョンの顔からもさっきまでの優しい笑みは消えて、真剣な顔で俺を見つめて話していた。
MG「…」
DK「留学終わったから?」
SC「ああ。」
ジウォンヌナが帰ってくる。
だから、なんだ。俺にはもう関係ない。
そう、思ってるはずなのに、心のどこかでまた彼女を意識してしまっている自分が気持ち悪くて仕方が無かった。
MG「それを言いにここに?」
SC「…うん。まだ好きなのかと思ってたから。」
MG「ジウォンヌナは、もう俺にとって終わった人です。それは多分、向こうにとっても。」
自分で言ったその言葉は鉛が落ちたみたいにずしん、と腹の中に重みを感じさせた。
SC「二人の間に何があったのか分かんないけど、あいつの為に出来るだけ今まで通り接してあげてくれ。」
ジウォンヌナとスンチョリヒョンはいわゆる幼なじみで。
早いうちに両親を亡くして、祖父母に引き取られ、体が弱いジウォンヌナの事を何かと気遣っていた。
MG「大丈夫。分かってるよ。」
口ではそう言いながら、貼り付けた笑顔の感覚は言いようのない違和感で包まれていた。
すると、不意にスンチョリヒョンの携帯が鳴って、
SC「もしもし。…え、今から?…あぁ、分かったよ。」
手短に電話を済ませたスンチョリヒョンは、ごめん、用事出来たから帰るわ。と言い、カフェを去っていった。
.
.
DK「…で、最近どうなの?あの子とは。」
暗くなった空気をソクミンの明るい声が割いた。
MG「今度、学祭来たいって言ってくれた。」
DK「まじ?」
MG「しかも、俺の家の隣のアパートに住んでたんだって。」
俺の言葉を聞いて、俺以上に喜んでいたソクミンだけど、なかなかテンションが上がらない俺の様子を見て真剣な面持ちになった。
DK「スンチョリヒョンはああいう風に言ってたけどジウォンさんの事、あんまり気にしなくていいと思う。」
MG「…正直、会っても今まで通り、なんて無理だと思う。」
DK「仕方ないよ。それに俺は、」
ソクミンは、俺の目をしっかりと捉えた。
DK「ジウォンさんがした事は、簡単に許されることじゃないと思うから。」
1174人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽんた | 作成日時:2020年3月2日 12時