#052 ページ3
「どこ行きたい?」
MG「うーん、特に無いけど…」
渡したパンフレットに目を通しながら眉間に皺を寄せるミンギュくん。だいぶ悩んでいる様子だったけど、あ!と突然大きな声を上げた。
MG「Aちゃんのクラス何やってんの?」
「んーと、確かタピオカ売ってた気がする。」
文化祭自体楽しいと思っていないし、そもそも友達がいない私はシフトに無理やり入れられる事も無かったから何をやるのかすらもあんまり知らない。どうでもいいや、とか思っちゃってたから。
MG「良いじゃん、行きたい!」
「美味しいかどうかは分かんないよ?」
MG「そんなの別に良いの!早く行こ!」
何の手伝いもしていないのに買いに行くのは若干というか結構気が引けるけど、今それを言っても多分ミンギュくんは辞めるとは言ってくれなさそうだったから少し重い足取りの中で自分のクラスの出し物をしている場所へ向かった。
.
自分のクラスの屋台の場所の近くまで行くと、今流行りのタピオカっていうこともあってか他のクラスに比べると結構人が並んでる。
忙しそうなのに悪いななんて思いながら屋台の中の方を見てハッとする。
確か今の時間帯は例の彼女とそのお友達がシフトの時間だったみたい。さっきまでは周りの目なんて気にしないと自分に言い聞かせていたけれどこんな風にこれ見よがしにミンギュくんと2人で現れたりなんかしたらまた何か言われるんじゃないかって怖くなる。
いつの間にか私の先を歩いていたミンギュくんはもう列に並ぼうとしている。
「待って、ミンギュくん。」
とりあえずミンギュくんを引き止めたくて咄嗟に出た手はミンギュくんの大きな手を掴んでいた。
それに反応してミンギュくんが振り返った時、ほんの5秒くらいだけ世界がスローモーションになって、私とミンギュくんだけみたいになったのはなんでなんだろう。
MG「どうしたの?」
「あの、ここに来るのまた後にしない?」
MG「なんで?」
「今はタピオカ飲む気分じゃないというか、こんなに混んでるのに行くと申し訳ないというか…」
私がそう言うとミンギュくんは、Aちゃんって本当によく気使うよねって少し笑われて、
MG「どうしても並びたいんだ。だから、申し訳ないんだけど待っててもらってもいい?」
って言うからミンギュくんってそんなにタピオカ好きなんだって少し驚いた。
1174人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽんた | 作成日時:2020年3月2日 12時