ハルキミ。 MG【2】 (ページ16)

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その声に私たち二人とも反応して振り返ると、綺麗とも可愛いとも取れるようなとにかく美形な女の人が佇んでいた。

？「ミンギュ、だよね？」

MG「…なんで。」

？「もしかしてスンチョルから戻ってくること聞いてた？」

MG「聞いてたけど、来週だってヒョンは…」

？「それが、予定よりちょっと早まったの。今日が丁度学祭だって聞いたから、もしかしたらミンギュに会えるかなって思って来ちゃった。」

その女の人の表情とミンギュくんの表情はまるで対照的で。

もしかしてこの人が、たくさんの人が口にしていたジウォンさん、なのかなって。

そう考えると、私は今この場にいちゃいけないように思えて。

「私、帰るね。」

MG「え、なんで…」

「なんでって…」

何も知らないくせに、ジウォンさんとちゃんと話した方がいいんじゃない？とか言えないし。

どうしようと考えていると、さっきの私たちみたいに駅に向かって走ってくる見慣れた人物が。

「ジョンハンさん！」

JH「え、A？」

「一緒に帰りましょ。」

JH「良いけど、ミンギュは？」

なんて言ったら良いのか分からなくて、この状況を察してくださいって意味でミンギュくんとジウォンさんの事を見るとなんだか理解した様子のジョンハンさん。

MG「Aちゃん、」

「私の事は良いから。ミンギュくんに会いに来てくださってるのに失礼でしょ。」

私がそういった後にジョンハンさんが何やらミンギュくんに耳打ちをすると、ミンギュくんは渋々頷いてごめんね、って言いながら私に手を振ってきた。

またね、って一言言って、駅の改札をくぐった。

.

JH「A。」

「はい。」

JH「これ、着な。」

渡されたのはジョンハンさんが着ていた黒いブルゾン。

「大丈夫ですよ、そんなに濡れてないし。」

JH「そういう問題じゃないの。風邪引いてバイト休まれても困るしとにかく着ろって。」

「分かりました。ありがとうございます。」

濡れたブラウスがぴた、と身体に張り付く感じが少し気持ち悪かったけどジョンハンさんから渡されたブルゾンを羽織るとやっぱり暖かくて、なぜか泣きそうになった。

JH「…今は泣くなよ。」

「…え？」

なんで泣きそうだって分かるんだろう。

JH「泣くの我慢してる顔してるから。家でちゃんと聞いてやるから。」

「…ありがとうございます。」

ジョンハンさんにはやっぱり敵わない。